12月の記事一覧
12/29
Sat
Category:設計仕事
バブリックとプライベート その二

バブリックとプライベート その二
パブリック性のある玄関をより多機能にしたのが土間スペースです。
嘗ての住まいにはよく見られた土間ですが、一般的な都市型住宅からは姿を消しました。もともとは農家の雨の日の作業場所であったり、屋外仕事から足袋を脱がずに休める休憩場所であったり、近隣のコミュニケーションの場であったりと多用途に使われてきました。昔は石灰、にがりなどを混ぜて突き固めたため【三和土】タタキとも言われます。
そもそも屋内では靴を脱ぐという行為は世界的に見ても少数派のようです。
素足で畳や板の上を歩く心地良さを多くの世界の人たちが知らないのは不幸なことですね。
私は日本人に生まれてよかったと思っています。
最近ではまた土間の空間が見直され、注目されています。
アーキクラフトでも近年では2件ほどの本格的な土間の家を設計しています。
撒きストーブを置いたり、自転車の整備をしたり、日曜大工や野菜の保管など多目的に使われています。
失われてしまったものが見直されている背景を考えてみると、「暮らし方の変化」が見て取れます。
少し前までは世の中が忙しく、「外で働き、家ではくつろぐ」という生活が当たり前でしたが、「外でも家でも楽しく暮らす」家での過ごし方の多様性が時間のつくり方ができるようになってきたのだと思います。
その時間の中で「土間」は注目されています。一年の1/3程度が雨の日本で、雨の日でも屋外的に活動でき家族と楽しめる機能的な場所なのです。

いいことばかりのようですが使いこなすには、それなりの覚悟が必要です。
普通は玄関を兼ねて第二のリビングとして土間を考えることが多くなりますが、その場合玄関を開けた来客にはいきなり生活の場が
飛び込んできます。
昔の農家の土間の延長線上にあるタイプですね。
土間の性格上、生活感を出さないのはまず不可能でしょうし、土間の意味もなくなってしまいます。
生活の場にいきなり来客が入る覚悟を決めるか、もうワンクッション土間の外部で緩衝地帯を設けるか、このことは「暮らし方」にかかわってくる需要な問題ですので設計段階で十分な考慮が必要です。
また、プライベートな土間空間とする場合は、玄関とは切り離し、リビングからの土間とすれば、来客の視線からは玄関という緩衝地帯が設けられますので落ち着いたプライベート空間としての土間になります。
生活を楽しむという感覚で間取りを考えてみることもいいことです。
部屋数を割り振るだけのnLDK的間取りから逃げ出しましょう。

12/28
Fri
Category:設計仕事
パブリックとプライベート

パブリックとプライベート
公共のスペースをバブリックスペースと言いますね。
パブと言う場合は「大衆的な」というような意味のようです。
住まいはプライベートな場所ですが、その中にもパブリック性はあるのです。
住まいの中でプライベート性が高い場所は、寝室や浴室ですね。
それに対して来客を迎える玄関やリビングはプライベートの中にもパブリック性がある空間と言えると思います。
訪問者をすべてリビングまで招き入れる人はいないと思います。
ほとんどの訪問者は玄関まで招き入れれば、訪問の目的は達せられます。
たとえば、近所の人とコミュニティーの話をしたり、宅配便を受けとったり、新聞代を払ったり、玄関は多くのパブリック機能が行きかう場所なので、本来はゆったりした空間にしたいところですが居室の広さを優先するあまり、後回しにされがちです。
パブリック空間としての玄関は風通しがよく、ゆったりと開かれていると快適な空間になります。
あまりにプライベートな印象が強いと訪問者にとっては落ち着かない空間となります。人のプライベートを見るのは気が引けてしまいます。
広さはあるに越したことはありませんが、狭くても居心地の良い玄関をつくることはできます。
大切なのは2点
ひとつは収納です。
多少玄関スペースを犠牲にしても下足入れ以外の収納を確保しておきたいところです。
多少狭くてもすっきりとした空間はゆとりが感じられます。
趣味のものも置きすぎるとプライベート感が出過ぎてしまうので気を付けたいところです。
もうひとつは空間としての演出です。
ベンチをしつらえてみたり、お気に入りの椅子を置いてみたり、大きな窓をデザインしてみたり、単なる靴を脱ぎ通過するための空間ではなく、くつろげる演出をしてみるといいでしょう。
部屋を割り振って余ったスペースではなく、「家の顔」として意識してみるとまた違った空間になるはずです。

12/27
Thu
Category:設計仕事
結露対策
結露対策
厳しい寒さが続きますね。
体が硬くなってしまいますし、こんなに寒くてはランニング中毒の私でも早起きジョギングもできません。
今日の我が家の寝室のデータは、
室温9.0℃ 相対湿度50%
屋外-2.0℃ 相対湿度42%
寝室は寝る前も、寝てからも暖房及び加湿器は使用していません。
水蒸気の発生源は夫婦と猫だけです。
ガラス種類は空気層12mmでアルミ部分も樹脂がはさんであるタイプです。
窓面の結露は発生していません。
まず、9度の室温での飽和水蒸気量を求めて見ると、8.80g/m3となります。(露店温度表による)
現状相対湿度で50%ですから存在水蒸気量は8.80*50%=4.40g/m3となります。
屋外-2.0℃の湿度42%の存在水蒸気量は4.13*42%=1.73g/m3
なので屋外に比べ2.5倍の水蒸気量になります。
水蒸気は人間が発する量と暖房器具・調理器具・浴室設備などから発生しています。
通常屋外の水蒸気量に対して2.0~3.0倍の水蒸気が屋内にはあると言われています。
結露は屋内の一番温度が低い部分、アルミやガラス表面にまず発生します。
結露対策は一般的には冬によく見られることから冬の気象条件でガラス種類などを検討していきます。
結露軽減のポイントは
1:室内の相対湿度―できるだけ低く
2:室内外の温度差―小さいほどよい
3:断熱性能―高いほど
相対湿度を下げることが有効なのは確かですが、過乾燥はウイルスに好条件になったり肌荒れなど暮らしにくくなります。
45~55%程度は維持したいところです。
ある程度の湿度は維持しながら結露を起こさないポイントを探していきます。
関東地方で単板ガラスでは冬期暖房をするとまず結露は避けられません。
複層にすることによりかなり防げますので結露防止には一番有効な手段です。

12/26
Wed
Category:山と材木
木造住宅はエコですか?

イニシャルコストとランニングコスト
木造住宅はエコですか?
構造躯体が木であるか、鉄であるか、コンクリートであるかでW造、S造、RC造と区別されますが、躯体以外の材料は殆ど同じです。
日本建築学会のデータによると住宅を造り出すのに排出するCO2は。
W造:≒480kgco2/㎡
S造:≒720 kgco2/㎡
RC造:≒700 kgco2/㎡
家を造るときに出すCO2(イニシャル)と生活で排出されるCO2(ランニング)を比較すると、家を造る時のCO2は生活家庭の排出CO2の10%程だそうです。
平均住宅寿命30年としての概算です。
永く使えば使うほど製造時のCO2の影は薄くなっていく。
つまり建物構造を何にしようがCO2の排出と言う意味では大差ないといえます。
どんな工法でも生活の仕方に掛かっているということです。
木材は成長過程でCo2を吸収し、内部に固定化しています。
CO2の固定化は主に若木の成長過程で行なわれ、樹齢とともにその能力は衰えていきます。
適度な成長段階で伐採し、若木を植林し循環していくのがCO2固定化には有効です。
これを勘案すると、W造のイニシャルはもっと落ちていくはずですね。
もっとも、Wだからといって輸入してきたのでは本末転倒
住宅一棟の木材輸送CO2は輸入にたよると≒3.0トンのCO2で、地場材の場合は≒0.5トンとのことです。
木材の輸送だけで輸入の場合は標準的家庭の一年間のCO2排出量に匹敵する量です。
近場の材料が安くなって使いやすくなればね、誰も外国から持ってこようとは思わないんだろうけどね。
それが出来ないから輸入する、建て主にCO2のために過度なイニシャルを負担させられない。
それもお財布にエコということかな。
結論:W造が構造としては一番エコと言えるけど生活の仕方、建物寿命によってはそうともいえない。でした。
参考:ウッドマイルズ研究会http://woodmiles.net/index.htm

12/25
Tue
Category:設計仕事
折り込み広告の間取りを見てみる。

折り込み広告の間取りを見てみる。
土曜日や日曜日の折り込み広告には不動産や住宅の情報がたくさん入ってきますね。
私などは仕事柄、興味があるのでひと通り目を通します。
広告の間取りを見るのが好きな人も結構いるみたいですね。
単に壁や窓が記号的に書かれているだけなのに、そこに自分の暮らしを当てはめて、良い悪いと勝手に評価して楽しむのもチラシの有効利用ですね。
では折り込み広告のチラシ間取りをつくる側は何を考えているのでしょうか。
建築主がいない土地にプランを入れる。
不特定多数の方に良い評価をしてもらい問い合わせを受けなければいけません。
まず販売価格は土地を含めて周辺相場からある程度決められます。
金額や周辺の環境により購買層もターゲットされ、同じ坪数であれば大きく感じさせるようにnLDKのnの数にこだわりたくさんの部屋を割り振ります。
奇抜なアイディアや大胆のプランニングは敬遠され、一般受けするプランやデザインが多くなり、保守的な、どれも同じようなプランが並びます。
私が仕事を始めてから、折り込み広告の間取りに進化はなく、ずーと同じことを繰り返していますが、実際のライフスタイルは驚くほど変化しています。
「TVを中心にみんなが集まり、寝るときは個室で」nLDKで表現しやすい間取りがいまだに評価されます。
実際の暮らしではみんなで一緒にTVを見るということはあまりなくなってきています。時間の過ごし方も家族それぞれなのです。
TVを見ひと、パソコンをしている人、本を読んでいる人、家事をしている人、暮らしの中に多様性が生まれているのですから本来それにこたえられるプランが出てこないのはおかしなことなのですが、現実は過去の踏襲です。
また、受け取る側もこの不自然さに気が付かないのです。
代わり映えしない間取りの中でも激安をうたうビルダーやローコストのHM、建売り住宅ほどオーソドックスな間取りが多く見受けられます。
大衆に受ける間取りの建物が最も数をこなせるため、最も仕入れ値を下げられ、職人慣れているので考えなくても手が動きミスなく、早くできるようになります。
長年住宅に携わり見てきた経験から言うと、保守的な一般受けする間取りの家ほど安普請に見えてしまいます。
どんなに高級な材料、大理石や、総ヒノキや、銘木を使ったり、とても高価なキッチンを入れて、何々風と頑張ってみても安っぽく見えてしまいます。
予定調和の間取りには予定調和の素材でいいのでしょう。高価な素材は逆に違和感を演出してしまうみたいです。
このことを設計的に掘り下げてみると、間取りをしっかり考えて、一般受けしなくても自分たち家族の暮らしにあった住まいをつくれば使用する材料は普及品であったにしても安普請には見えません。
住まいとは住まう人の主義主張が出しゃばり過ぎずそこはかとなく感じられるもの。
よく考えられた家にはそれなりの雰囲気が生まれます。
それなりの雰囲気を楽しめる家を目指しています。

12/24
Mon
Category:設計仕事
インフレ目標2%と家づくりの関係

インフレ目標2%と家づくりの関係
安倍内閣は2%インフレ上昇率を目指す考えのようで、日銀も概ねその方向でたくさんのお金を市場に流すことになりそうです。
私は仕事がら家というかなり高額なものを扱っています。
高額になるほどインフレの影響は大きくなります。
ここ20年ぐらいは買い手市場と言われてきました。それはデフレの影響で土地価格や建物価格が下がり続けてきたからです。もちろん収入も減り続けてきましたので好ましい状態でもありませんでしたがバブル期に比べ安く家が求められるようになったのは事実です。
さてインフレに振れると家づくりはどうなるのでしょうか。
仮に今2000万円の家を建てる場合、消費税が5%ですから単純に2100万円必要になります。
2014年消費税は8%です。2%インフレに振れれば2000万+8%+2%=2200万円になります。
さらに2015年からは2000万+10%+2%=2240万円です。
たった3年の間に同じ建物が2100-2240=140万円上がってしまいます。
収入も上がる勘定で、400万の年収で2%だと年間8万円上がります。
たった8万円アップで140万円の負担増になる計算です。
消費税分収入が上がるわけではないので物価も2%あがり生活にかかる消費税も上がるわけですから厳しい現実が見えてきます。
大きな買い物はしにくくなりそうですね。
ただ、2%ずつ継続的に毎年インフレになっていくのであれば考えは変わります。
年々2000万の家が40万円ずつ値上がりしていくのですから早く買った方が得になります。
先物買いを繰り返したバブル期の再来です。
こう考えてくると駆け込み需要はある程度あるのだと思いますが、住宅は末永く住まうものだからじっくり考えてつくりたいですね。
土地も家も投資する対象ではないのですから。
消費税分年収も上がってくれればいいと思っている今日この頃です。

12/23
Sun
Category:設計仕事
震度6弱の確率公開

震度6弱の確率公開
21日政府の地震調査委員会は今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を公開しました。
関東では千葉の確率が75.7% 水戸で62.3% さいたま27.3% 東京23.2%という数字です。
1995年の阪神大震災が起きる以前の発生確率は10%以下とされていました。
今回それが数十倍に上昇したのは、阪神大震災や東日本大震災を経験し、大震災は起こりにくいとされてきた東北地方で大きな災害をこうむるに当たり、以前の評価基準が当てはまらなくなり、見直しを強いられたからと言われています。
つまり地震はまだ予測できず、不確定要素が多いということなのだと思います。地震は常に身近にあるということを考えていかなけれないけません。
東日本大震災タイプの海洋プレート型地震では直下型よりも地震被害は少なくなりますが、地底のゆがみが出来れば建物被害が大きな活断層型地震を誘発するとも言われています。
これから建てる家は確実に震度6以上の地震を経験するはずです。
今建てられている家でも地盤状態など悪条件が重なれば震度6でも建物は倒壊する可能性があります。
「損傷しても倒壊せず」が家の基本です。
設計者として人命を守るためのシェルターとして家の性能を考えるとき、基準法を守ってさえいればいいとも言えません。
ではどこまで耐震性を上げるのか、地域材の家でも耐震等級3は十分可能です。
耐震等級2はスタンダードであると考えています。
ただほぼ全てを自然素材でつくりたいと考えると耐震等級3は失うものが多く試行錯誤が続きます。
メリット、デメリットを話し合いながら接点を探していきたいと考えます。

12/22
Sat
Category:未分類
掘りごたつの家 引き渡しの日でした。

引き渡しの日でした。
午前中の雨も上がりいい感じの土曜日です。
まだ外構など残っていますが、年内お引越し、新居での新年は楽しいでしょうね。
関係者の方々、ご家族に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

リビングの真ん中に10人座れる掘りごたつ


12/20
Thu
Category:設計仕事
断熱と遮熱は何が違う?

断熱と遮熱は何が違う?
暖まった室内温度は室内の熱源を消した時、外気温と平衡になろうとします。
断熱は室内から外部への熱の移動またはその逆を遅らせるために行います。
熱の伝わり方には3種類あります。
1:対流
対流は媒体(空気や水)を通して伝わります。
2:伝導
伝道は物質(鉄や木材)を通して伝わります。
3:輻射
輻射は赤外線です。太陽の光や太陽に暖められた壁や屋根からも発せられます。
家が温められる流れを整理してみると
太陽からの赤外線が屋根・外壁を温めます。
暖められた屋根や外壁は熱源となり、輻射熱を発するとともに、直接触れている部分に熱を伝導します。
また、熱源に触れた室内側空気は、輻射、伝導により暖められ対流を起こし熱を伝えます。
断熱材に期待される役目はこの一連の流れをできるだけ遅らせることです。断熱材も空気中にある物質である限り時間がかかるにしろ、対流、伝導、輻射の熱から逃げることはできません。
断熱材の性能とは伝わる時間をどれだけ遅らせることができるか、これにかかっています。
暖められる流れの始まりの部分、輻射を遮れば室内はもっと快適になるはずです。
輻射を一番遮るのは金属です。
中でもアルミの遮熱性(熱反射率)は高く、99%と言われています。
宇宙技術開発と共にアルミ遮熱は開発されてきた経緯があります。あの「はやぶさ」の外皮はアルミ箔で遮熱されています。
その技術は民生用となり、アルミ遮熱シートとして住宅の分野にも参入しています。
スチロール系の断熱材にアルミ箔を接着した製品や、ポリエチレンフィルムにアルミ箔を貼った薄いシート状のもの,透湿防水シートにアルミ箔ではなく、アルミの紛体を蒸着させたもの(反射率が落ちる)などがあります。
アルミ箔の断熱性を発揮させるためには建築の部位とできるだけ接触させないことが重要です。
遮熱には優れていても伝導においては簡単に熱を伝えてしまいます。
使い方としては屋根の場合は、屋根材と屋根下地でしっかりと防水をし、その下にできるだけ大きな空気層を取り、アルミ箔を敷き込みます。さらにその下に断熱材を敷き込みます。
仕事柄新商品の案内などがしょっちゅう届きます。
当然有利な点を強調していることは理解しています。
99%遮熱しますとのアピールも間違いではないでしょうが、そんなに優れた商品であればだれもが飛びつくはずです。
プラスがあればマイナスの欠点もあるのが常識で、アルミ箔には透湿性がありません。
これは使うに当たって壁体内結露を起こさないためにかなりきっちりした施工が要求されます。
壁内に侵入した水蒸気は逃げ場を失い、壁内部で結露します。
結露は冬だけでなく、夏にも起こります。

また、コスト的にもアルミ箔断熱を使うのであれば、普通の断熱材の厚さが増やせます。どちらが断熱に対してコストが掛かるかですね。
アーキクラフトでは金属屋根の時に屋根面だけに、ヂュポンのタイベックシルバーを使っています。
これは透湿防水シートにアルミを蒸着させたもので、遮熱性能は落ちますが、透湿してくれるのがありがたい商品です。
断熱性能は、対流・伝導・輻射をできるだけ遅らせることが重要ですが、躯体に相応しい方法を採用しなければなりません。
たくさんたくさん新しい商品が開発されては消えていきます。
高度成長期以前から使われて今も残っている素材には意外にいいものがあります。それらいいものと新しいものを少しずつ組み合わせて家を考えます。
あまり冒険しない家づくりのアーキクラフトです。

いいね
by 河合潤也
Re: タイトルなし
> いいね
さんきゅー
by アーキクラフト 一級建築士事務所
12/19
Wed
Category:市ノ川の家
リビング吹き抜け

市ノ川の家
リビング吹き抜け
冬の日差しをリビングの奥まで導き、夏は気流により空気を動かします。
キャットウオーク
根太を150mmピッチで入れていますので歩けます。
歩けないと窓が開けられないので
猫はもちろん人間も
出入りには小さな建具を開けます。


12/18
Tue
Category:市ノ川の家
また一つオリジナルキッチン

また一つオリジナルキッチン
杉とステンレス
ステンレス304 ヘアーライン仕上げ バックガードなし
ソリッドでシンプルな仕上げです。

コンロは段落ち
ビルトインもきれいに収まりました。
ご苦労様でした。
もうすぐ引渡し、今度の土曜日 市ノ川の家


12/17
Mon
Category:日常
衆議院選挙と住宅政策

衆議院選挙と住宅政策
自民が勝ちすぎてしまいましたが、選挙前の支持率を反映した結果が出ましたね。
政治的基盤が弱く、それぞれの分野にエキスパートがいない民主党が脱官僚を唱えながら、その言葉の裏では施策を官僚に丸投げしてきました。
既得権を守りながら新たな権益を獲得したい官僚に住宅政策も振り回されてきました。
23年度の「木の家整備促進事業」は地域材に取り組む工務店、設計事務所が利用でき、実際に当事務所の建て主さんも複数の案件で補助金を頂きました。
ところが24年度、それを引き継ぐはずの「地域型ブランド化事業」は地域材に取り組む普通の工務店や設計事務所が入り込めないばかりか、国土交通省のお墨付きを頂いた「団体」に加盟していないと縁のない物となってしまいました。
自民党も景気対策を重点施策に挙げています。
住宅政策においても普通の工務店、設計事務所がかかわれる施策を取っていただいたいものですが、はたして自民党にはそのような知見を持ったエキスパートがいるのでしょうか、毎年毎年事業化方針が変わるようでは農業と同じで、足腰の強い業界になりません。
毎年目先の補助金に右往左往する業界には飽き飽きです。
更にCO2の排出抑制を口実に経済産業省が住宅施策に参入してきています。
国際競争に敗れ内向きの電気メーカーの支援も多くの人々が働いているのですから確かに大切です。
しかし省エネ設備を沢山つけさえすれば補助金を出す、というのはいかにも乱暴で知性を欠いた施策です。
いつもそうですが自然を上手に利用した「パッシブハウス」的な考えの工務店や設計事務所はまたも蚊帳の外です。
パッシブが評価されないのは定量的に評価する基準が作れないからだと思いますが、その道のエキスパートが政治家にいればまた違うのだと思います。
永い視点で業界をリードできる人材が政治家に求められます。

いいね
by 麻生泰 名医
Re: タイトルなし
> いいね
サンキュー
by アーキクラフト 一級建築士事務所
12/16
Sun
Category:設計仕事
基礎コンクリートのひび割れは欠陥?

基礎コンクリートのひび割れは欠陥?
「ヘアークラック」(乾燥収縮クラック)と呼ばれる基礎コンクリート面のひび割れがあります。
読んで字のごとく髪の毛のように細いクラックのことを言います。
建築的な知識が無い一般の方には、ヘアークラックであっても基礎の欠陥と捉えてしまいがちです。
建て主さんが「基礎のひび割れが心配です。」とヘアークラックをさして工務店に話をすることがあります。
工務店さんのほとんどの方は、「表面は乾燥するからね」「そのぐらいは何でもない」とか、「多少はしょうがないんだよ」などと簡単に受け流してしまいがちです。
建て主さんは本当に心配しているのだからそれでは不親切です。
昨今は「説明責任」を求められます。
乾燥収縮クラックは構造的な欠陥ではないこと、コンクリートは建物が完成してからも2年程度は内部の水分が抜け、それに伴い乾燥収縮によるヘアークラックもまだ起こり得ることを説明し、欠陥ではないことを理解してもらわなければなりません。
では、何ミリ幅mのひび割れまでが乾燥収縮クラックなのでしょうか。
単なるヘアークラックは一度ひび割れてから進行(幅が広がる)ことはありません。
注意しなければいけないのは最初はわずか0.1mm程度であったものが時間の経過とともに0.3mm.0.5mmと拡大していく場合です。
拡大し、0.5mmまで来たら、構造的な問題が発生していると言えます。
「構造クラック」の出現です。
判断の方法はひび割れをエポキシ樹脂系の接着剤で一度修復し、後に再発(拡大すれば)間違いなく「構造クラック」で、基礎の不同沈下が始まっていることを示します。
現代の基礎では不同沈下以外で「構造クラック」が発生することはまずありません。
不同沈下以外では建物荷重による原因になりますが、まずないと考えて大丈夫です。基礎に影響が出る前に、土台に柱部分での「めり込み」が発生し、土台が吸収してしまいます。(これも構造的欠陥ですが)
「構造クラック」の自分でできる簡単なチェック方法は、長さが基礎の高さの2/3以上あるものに注意し、時間をかけて(一年以上)経過を写真で記録したり、接着剤で補修したりしてみるとよいでしょう。
「構造クラック」は大きな地震でもない限り急に発言することはありません。
じんわりと進行していきますし、対処する方法もあります。
古い建物の耐震診断などに伺い基礎の中に入ると、クラックから外の光が透けて見えるなんてこともあります。
そのような場合でも補強することによりある程度の強度は確保できます。
耐震診断や基礎に関するお問い合わせもお受けいたします。

12/15
Sat
Category:設計仕事
寒い日のコンクリート

寒い日のコンクリート
コンクリートの成分はセメント、砂利、砂、各種混和剤と水です。
コンクリートの強度は水とコンクリートの割合(水セメント比)が大きく影響します。
コンクリートが強度を発現するのに無くてはならない水ですが、0度を下回ると水は個体(凍ります)になりたがります。
通常の水だけの状態よりもコンクリートの発熱で外気温が0度を下回ったからといってすぐに凍るようなことはありませんが、厚さが薄いコンクリートの部分や、土間の表層などは凍る可能性があります。
コンクリートの内部で水分が凍るとどうなるでしょうか、氷は溶けると体積が減りますね。
残念なことにコンクリートの強度は確保されません。
手て触っても崩れるほどになります。
コンクリートの強度は設計により基準強度が決められます。
コンクリートを製造し現場に搬入する生コンプラントは、その季節に応じコンクリートの強度発現を考慮し、強度補正を行います。
冬の寒い時期はコンクリートの強度発現が遅くなり、工事に支障をきたす場合があります。
設計基準の強度を出そうとするには温度により補正し、少し強度を高くしたコンクリートを製造し、基準強度に合わせます。
プラントは過去の季節ごとのデータや、数学的な強度根拠により基準強度以下にならないように細心の注意を払います。
そして念のためサンプルを取り一週間後と四週間後に破壊検査を行い、実際にどうなのか確認しています。
生コンプラントのレベルはいろいろです。
外柵のコンクリート基礎程度であればそれほど神経質にならなくても安いコンクリートが入るのであれば良いと思いますが、100年と言う単位での耐久性を待たせるのであれば、少なくともJIS規格プラントで製造してもらいましょう。
大切なのは建て主自らが他人ごとにせずに注意することが大切です。
基礎工事にかかる前や、契約の時にコンクリートの配合計画書を作ってもらい、出荷の時の出荷伝票で後日確認することを伝えておきましょう。
また、設計強度の数字とその根拠も教えてもらいたいところです
「基礎コンクリートの設計強度はいくつですか」
「寒いので凍らないような処置をしてくださいね、温度補正も大丈夫ですね」
など、この人は詳しいな、と思わせるのも緊張感が出て良いことです。
また、請け負い契約の際に基礎コンクリートは破壊検査をしてくださいね。
と依頼するのもいい考えです。
適当なことはできなくなります。
たかがコンクリートですが、建物が出来てしまってから交換することはできません。
「基礎は丈夫につくってください」
ではだめなのです、工務店さんの社長がコンクリートに詳しいとは限りません。
基礎屋さんは現場に搬入された生コンを打設するだけです。
強度管理はしていません。
信頼関係を大切にしながらもすべて任せているわけではない。というスタンスも間違いの無い家づくりには必要なことだと思います。
本来設計監理者がいる場合はそれらの仕事は、監理者の仕事になります。
専門的な知識をあなたの家づくりに生かしましょう。
監理業務のみの依頼もお受けしております。
お問い合わせください。
伝票の「呼び強度30」が設計強度となります。


12/14
Fri
Category:設計仕事
住宅の重さで地盤は沈むか?

住宅の重さで地盤は沈むか?
地盤の検討をするときには、建物荷重を求めてと書きました。
これは地盤の設計にあたって一番重要なことですが、軽量な木造住宅においては建物荷重だけにとらわれてはいけません。
。
(財)住宅保証機構のデータから見ると比較的軽量な木造住宅でも沈下事故の事例が報告されています。
データをよく見てみると沈下の主原因が建物荷重ではないのではないかと言うことが見えてきます。
多くの沈下事例の主原因は「盛り土」にあります。
「盛り土」はそこのある地面なので、そもそも重いとか軽いとかの感覚の範疇にはありませんが、1.0㎥の土は粘性土で16kn、砂混じりで18knと言われます。ちなみにコンクリートの塊は24knあります。
木造二階建ての住宅は8~11 3階建てでも10~12kn/㎡程度であることを思えばほぼ2倍の荷重が下の地盤に加わります。
土地勘のない場所で綺麗に造成された宅地を見てもそこが「盛り土」なのか感覚的にわかりません。しかし現在分譲されている土地の多くは盛り土です。
その量は50cm程度から谷や水田を埋めたのであれば数m近い場合もあります。
元の地盤は建物の荷重よりも盛り土の荷重により沈下してしまいます。
極端な話し、建物が乗る、乗らないは関係なく沈みます。
このような場合地表面の許容支持力だけを求め、安全を確かめても意味がありません。
その土地の経緯経過を地域の方に聞くなり、過去データをみなければなりません。
「盛り土」はその厚さだけではなく、経過年数に注意することが大切です。造成工事直後がもっとも沈下が大きく、元の地盤が軟弱であれば、盛り土荷重の影響を受け沈下が始まり、徐々に終息していきます。沈下が終息する期間は、砂質土で数年、粘性土で5年程度と言われています。湿地や沼などでは15年以上経過しても沈下が進行している場合もあるようです。
一般的には概ね10年を経過していればそれ以後の沈下は無いと考えても良いようです。既存の家屋を解体して、建て替えの場合でも盛り土を計画する場合は、十分な転圧と共に元地盤との関係を考慮した地盤設計が必要です。
家を造ることをきっかけに自分の土地の履歴なども調べてみるといいですね。
地盤に関するお問い合わせなどもお受けいたします。

12/13
Thu
Category:NPO
障害者自立支援施設

NPO法人あいアイ
http://www.aiai-art.jp/
川越の郭町を拠点にアートを通して障害者自立支援を行っています。
NPOモクイエとのコラボレーションなどで顔なじみになり、何だかんだともう2年ほどのお付き合いになります。
郭町で小さな平屋住宅を借りて手狭なところで活動してきましたが、今年は同じ郭町で川越市の建物(住宅)と土地を借りて広くなりました。
用途変更という建物にまつわる法律的な整理を依頼され、行政と協議したり消防に出向いたりしています。
このような活動はどこも資金繰りが大変です。
あいアイも就労支援施設の認定を取り、補助金を頂かないと活動に支障をきたします。
ただ就労支援施設の認定を取るには、建物を住宅では無く、「児童福祉施設」に用途を変えなければなりません。
住宅は、住宅にまつわる法規(基準)をクリアーしなければいけません。
児童福祉施設には、児童福祉施設にまつわる法規(基準)があり、当然住宅で要求される基準よりも厳しいものとなります。
消防的なことから、避難関係、排煙や採光、換気などの基準も変わり耐震性の問題も出てきます。
また、市の建物(財産)の「用途を変更する」という法律以外の難しさもあります。
夏ごろから少しずつ動いていましたが、ここにきて関係各位のご尽力によりやっといろいろな部分の交通整理ができ、建築指導課との共通の認識が出来ました。
まだまだ越えなければならないハードルがあるけれど、3月をめどに「用途変更許可」を取得し、住宅を「児童福祉施設」に切り替え、「就労支援施設B」多機能型事業者の認定を取得します。
設計事務所はこんな仕事もしています。
各種建物にまつわる許認可業務もお問い合わせください。
上の写真は木製のワインスタンドをNPO山のめぐみが杉の間伐材でつくり、あいアイの子が絵をかきました。ワインのラベルも描きました。
下はときがわの里山整備の団体(どんぐり)が炭を焼き、あいアイの子がパッケージの絵を描きました。
それぞれの団体を結び付けたり、企画から販売をモクイエが担当しました。
そんな関係です。


12/12
Wed
Category:設計仕事
建物の重さと基礎と地盤の関係

建物の重さと基礎と地盤の関係
建物の重さは、その建物の自重DEAD LOAD(固定荷重)と、LIVE LOAD(積載荷重)の和となります。
DLは建物の骨組みの重さから、外壁や屋根の仕上げ材の重さであり、LDは建物の用途により床に乗せられるであろう生活時の重さ(人の体重も太陽光パネルも)となります。
例として先月構造計算の仕事をさせていただいた木造3F建ての住宅を見直してみると、
木造3F建て・延べ床面積162.6㎡(49坪)
建物総重量:DD= 564.86kn LL=144.42kn 合計709.28kn
709.28knはkg表示では約72tになります。
基礎面積:57.26㎡でしたので、この建物の基礎1.0㎡は709.28/57.26=12.39kn/㎡(約1.26t/㎡)の荷重を常に支えることになります。
さらに設計者の裁量の範囲において私は安全率を1.2としていますので、基礎の検討では
1.2*1.26=1.52t/㎡として土間のコンクリートの厚さや鉄筋の本数ピッチなどを決めていきます。
さらに地盤の設計においては、地盤の支持力が調査によりいくつだからという地盤に合わせるのではなく、自重がいくつだから地盤の支持力がいくつ必要か、という考え方になります。
地盤の検討では、基礎で検討した荷重にさらに基礎自重を加えます。
基礎重量:408knでしたので、
709.28+408=1117.28kn/57.26㎡*1.2=23.42kn/㎡(2.39t/㎡)
この建物をささえるにあたっては地盤の支持力は最低
23.42kn/㎡(2.39t/㎡)必要であることがわかります。
地盤調査の結果は、残念なことに15~20knの数字しか得られず補強工事をすることになりました。
今回補強工事に当たっては改良柱(セメントミルク)とし、必要長期設定支持力を30kn/㎡で、その数字を満たす改良工事のシュミレーションを施工会社に指示しました。
結果は
改良深さ :約5.0m
改良径 :約0.6m/1か所
改良箇所数 :32か所
費用 :約85万円
補強工事だけで85万円は大きいですね。
補強しなければ望む物が建てられないのですから一概に高いとも言えませんが、大切なのは資金計画の段階からある程度予想を建て、計画しておくことです。
近隣データによる地盤状況も含め、土地購入前の事前調査等もお受けしています。
お問い合わせください。

12/11
Tue
Category:B/strage
それぞれの部品の機能にこだわります。

足場が取れたということで朝早くB/storage
なんだか今までシートで囲われていたので少し恥ずかしいですね。
まだ廻りの視線に慣れていないので緊張します。
木と土の色なので昔からそこのあったような、場所に対して違和感がありません。

隣地側の窓と庇が見えます。
昨今の住宅では庇が省略されています。
軒の出も詰められていますが、庇は無くされています。
では庇の役割とはなんでしょうか。
1:雨が開口部に直接当たるのを避け、雨漏れを呼ばないこと。現代では防水テープやシーリング材の高性能化、丁寧な施工により開口部周りからの雨漏りは格段に減りました。
が、減ったとはいえ無いわけではありません。
2:角度の大きな(夏の)直射日光を遮断し、冬の角度の低い日差しを入れる。
温熱環境に貢献します。
直射日光は遮りますが、軒天井があるので反射で意外に明るいので冬は日差しも入るし明るいのです。
特に西側の庇は日射の遮断と共にスダレなどをかけるにも都合がいいのです。
ガラスの性能も確かに上がりましたが、庇の効力は侮れないものがあります。
3:窓の汚れ防止、雨風でガラス面は汚れますが、庇が有る、無いでは汚れ方は格段に違います。
このぐらいでしょうか。
デメリットは外観によってはそぐわない場合がある。
無い方が建築コストが下がる。
ある分仕事が増えて、工事に時間がかかる。
板金と言う工種が増える。
まあ、昨今無くされているのは、防水の性能アップやガラスの性能アップも確かにありますが、工種を減らし、コストを落とすのが最大の狙いです。
アーキクラフトはそれぞれの部品の機能にこだわります。
今後も出来るだけ付けていきたいと考えています。

12/10
Mon
Category:市ノ川の家
建物本体とは構造的に別です

市ノ川の家
木製バルコニー
こちらは柱建てのバルコニーです。
建物本体とは構造的に別です。柱だけでは動いてしまうので壁から金物で受けていますが、金物で受けているそぶりは見せないのです。
屋根がかかっているので20年は持つでしょう。
構造が別なのでそっくり取り外して交換できる仕組みです。
床はスノコなので屋根があるとはいえ雨が吹き込めば下にたれるので、庇を設けてあります。
木製の梁を構造からそのまま跳ね出している住宅を見ることがありますが、外部はできれば構造とは切り離すべきだと考えます。
こちらは何に見えるでしょう。
完成してのお楽しみということで。


12/09
Sun
Category:構造計算
地盤と基礎と保障の話し。

現在の家づくりでは「保障」と言う問題が重視されます。
地盤についても同じことで、「地盤保障」を付けるか付けないか選択を迫られる場合があります。
瑕疵担履行法により建物に瑕疵がある場合は、施工者は無償で保証しなければなりません、その資力がない場合は保証機構が保障に当たりますが、地盤が原因の場合は、建物に瑕疵が無いのですから保障の対象外となります。
そこで必要になってきたのが「地盤保障(保険)」です。
「地盤保障(保険)」を受けるためには保証会社が基準に照らし安全な地盤であるということを認めなければなりません、そして保険料を納めて成立します。
そのために必要になるのが地盤調査により安全であることの証明や、改良工事を行った上での結果データです。
最近では非常に多くの建物が地盤改良を行います。その原因は「地盤保障(保険)」を受けるためとも言えます。
保証会社は当然リスクを減らすために調査で「グレー」な地盤においては「要改良」と判断します。また、一般的なスウェーデン式だけの簡易的な調査では調査費用は安く済みますがグレーの幅も広がってしまいます。
明らかに状態が良さそうな地盤では調査費を抑えられるスウェーデン式がベストと言えますが、不安がある地盤の場合はもう少し詳細に調べたほうが要改良の判定が減らせます。
まあ念のため改良する。と言う判断も実際には見えない地中のことなので有りなのだと思います。
地盤改良は建築費に占める割合も大きく、あとからわかったのでは資金計画が大変です。
土地が決まっているのであれば計画段階での先行調査をお勧めしています。
調査方法は、グレーな部分をできるだけ減らす、スウェーデン式と土質調査の併用をお勧めしています。スウェーデン式が約4万円から6万円の調査費に対し、土質調査まで行うと約8万から10万程度掛かります。
基本プランがあれば施工会社が未定の方でも地盤調査は可能です。
調査のみもお引き受けいたします。
また、他社で行った調査結果データの判り易い解説も致します。
お問い合わせください。
12/08
Sat
Category:B/strage
板金唐草ってなに?

B/storage
バルコニー手すり、木製ですので一生は持ちません。
10年前につくった家ではまだ何ともありませんので、15年、20年持ってくれるといいんですが・・・
当然取り替えることを考えたつくりになります。
壁にステンレスのプレートを埋め込みボルト締めなので、そっくり取り外しができます。
板金屋さんが手すりトップの笠木(下部を保護するために傘をかける意味)を取り付けています。
一番痛みやすいトップは板金で保護し、雨だれもある程度防ぎます。
昨今ではバルコニーの手すりと言えば、アルミの既製品と決まってしまいました。
手仕事は時間がかかりますから、即効性が求められる家づくりからは排除されています。
実際に住む人が手仕事の良さを評価できる基準を持たないために消えていく技があります。
高度成長と言われた忙しい時代を生きてきたからだと感じています。
手仕事だからといって値段が高くなってしまうことを安易に良しとすることもできないのが現状ですが、可能な部分でそのような仕事をつなげていくのも設計の仕事なのだと考えています。
永く住むのだから少し時間をかけて家を造りたいし、できるだけ人の手で仕上げていきたいのです。
今までとは違い、これからのほうがそのような考えが理解されやすいと思っているのですが、さてどうでしょうか。
今取り付けているのは唐草と言われる部品で、材質はガルバリウム、この上に再度フェルト(防水紙)を張り、仕上げ板をかぶせます。
釘跡の見えない、ラインが通った丁寧な仕事です。
最近では工務店の監督さんでも若い方は知らなかったりしますね。
板金唐草ってなに?とか言われちゃいます。
といっても決して特殊な仕事ではなく普通だと思いますが、ちょっとこちらが世間とずれているかもしれません。
工務店も当たり前のようにやってくれますので、やっぱりずれていないのか、いやそれとも工務店共にずれているのか。
飯田さん

取り外しができるように壁の外に手すりが来ますので、中はその分幅が広くなり、使いやすくなります。
ちょっとした工夫です。
板金屋さんの親方は70オーバーは固いでしょう。
手に職って素晴らしい。
自分は20年後何してるんだろう????


12/07
Fri
Category:設計仕事
緑のマーブルチョコレート

幼稚園の下見を兼ねて今日は家づくりのお話に来られました。
緑のマーブルチョコレートをいただきました。
何で緑かというと、
「ふくださんのくるまのいろとおなじだから」
だそうです。
感激しました。
あっそれと
ブドウのグミもいただきました。
こちらもおいしかったです。
ありがとうね。

12/06
Thu
Category:設計仕事
木造住宅の基礎と地盤について

木造住宅の基礎と地盤について
木が直接土に接すると腐っちゃうし、シロアリにやられたりするから柱の下には石を置こうね。
と言って始まった建物の基礎ですが、それだけの目的にしては最近の基礎はかなり強力です。
基礎の性能としては上記のこともかなり重要ですが、同じくらい重要なのが
「荷重を地盤に伝える」
と言う役割です。
この場合の「荷重」とは建物の重さだけではありません。地震による荷重や、風による荷重や、積載荷重も考慮する必要もあります。
建物に加わるすべての荷重は軸組(上部構造)から基礎に伝わり、地盤に吸収させます。
軸組の(上部構造)がいくらしっかりしていても、それをささえる基礎が崩壊してしまったらどうにもなりません。
また、基礎がいくらしっかりしていても地盤が弱ければどうにもなりません。
したがって、基礎の設計に当たってはまず、地盤の強度を知る必要があります。調査方法は住宅程度の基礎であればスウェーデン式が一般的であり、当事務所ではより詳細にデータを得るためにスウェーデン式に、土質調査を併用しています。
地盤が強い弱いを判断する場合に注目するのは、地盤の許容支持力と沈下量です。
許容支持力は、地盤の極限支持力を安全率で割ります。
沈下量は、建物の重さにより沈下する量を表します。
許容支持力と沈下量は別のもので、それぞれ検証しないといけませんが、木造住宅は構造物として比較的軽いので、地盤の許容支持力よりも沈下量でNGになる場合がほとんどです。
住宅地盤の許容支持力は、基礎の底から2.0mの深さまで検討します。住宅の荷重程度であれば2.0mまでに分散されてしまうという考えからです。
対して沈下は約5.0mまで検討する必要があり、国土交通省の告示では、基礎底面から2.0m以内において1.0KN、2.0~5.0m以内で0.5KNで沈下する層がある場合は何らかの処置をするように定められています。
沈下には「即効沈下」と「圧密沈下」があり、即効は読んで字のごとく、圧密は10年が沈下の目安で10年以後まで沈下が進行することはないと言われています。
盛り土をした造成地でも概ね10年経過していれば沈下はしないと言うのが一般論です。
地盤と基礎は要です。
詳細な調査の上に計画しましょう。
地盤にかかわるご相談もお受けいたしております。
お問い合わせください。

12/05
Wed
Category:構造計算
あんなボルトで吊ってるだけ?

あんなボルトで吊ってるだけ?
笹子トンネル天井崩落事故ではボルトを固定していた接着剤の劣化が考えられると報じられています。
詳細な検証は後日明らかになるでしょうが、個人的には埋め込みアンカーではなくケミカルアンカーが35年前に一般的に使われていたのか疑問があります。
今回は定期点検は行っていたが打診点検まではしていなかったと伝えられています。
工場などでの検査では超音波探傷などで点検されますが、現場では人的検査、打診点検が主となります。打診点検は建築の構造物においてもスタンダードな点検方法で、ベテランの検査員の打診での異変察知は機会にも勝ると言われています。
報道では、「打診点検」は義務ではなかった。
「点検マニュアル」にはなかった。
と報道されています。
今後は「打診点検」が義務化されるでしょうが、このような事故の場合、常にマニュアルに記載されていたか、いなかったかが争点となります。今回は「義務ではなかった、マニュアルになかった」と言うことが証明されると、法的責任は誰も問われないのではないかと感じています。
問題は、明らかに「打診点検」をしたほうが良いと分かっているのに、義務化されていないのだからしなくてもよい、と考えた姿勢にあるのではないかと思います。
私が仕事としている、木造住宅の場合、「4号特例」と言う無責任な制度が昭和26年、建築基準法制定以来残っています。
日本の住宅は設計と言う役割分担が生まれる以前より、大工さんが経験と勘で建ててきました。
当時はその慣習を法律により制限し、構造計算を義務付けると社会的に混乱するとの判断のもとに、一定規模以下の木造住宅は構造計算の申請を省略できるとしました。
社会情勢も、工法も60年前とは随分変化しましたが、法律は変わりません。見直しの機運が高まった時期もありましたが、既得権益の関係か、業界の反発か、相変わらず構造計算による申請義務が無い状態です。
基準法では、イ「政令に定める技術的基準に適合していること」
ロ「計算により安全を確認すること」とありますが、イの方法では構造計算はいりません。
このことは「本当に法律に適合し、安全であるのか誰もチェックしていない」と言うことになります。
以前にも書きましたが「構造はプロにお任せします。」はよくありません。工事契約、設計契約の段階で「耐震等級2又は3でお願いします。」など構造グレードのリクエストをしましょう。
そしてその計算結果を手元に貰いましょう。
より安全な、安心できる家を建築主が求めていきましょう。
費用のアップチャージが求められるかもしれませんが、耐震等級1で認定を取らないのであれば当然やらなければいけないことなので拒否できる範疇だと思います。
耐震等級2・3においては基準法レベルを超えますので工事も含め一般的にはアップチャージは必要になると考えてください。
耐震偽装において性善説が否定されたにもかかわらず、住宅においては4号特例と言う規定が未だに生きています。
構造計算に関するお問い合わせもお受けいたします。
お問い合わせください。

12/04
Tue
Category:市ノ川の家
キッチンをつくっています。

何の箱でしょう?市ノ川の家
棚もついています。
キッチンをつくっています。手作りで、本体の箱が出来たところです。
一般的に住宅のキッチンと言えば、システムキッチンと言ってショウルームに展示してあり、水回りのメーカーが奥様が好むように趣向を凝らし、各社自慢の商品を発表しています。
アーキクラフトのキッチンはもう少し単純です。
後から使う人が使いやすいようにアレンジできる程度に抑え、あまり作り込んでいません。
使う方の好みや使い方で、システムキッチンももちろん使います。
オールステンレスやホーローなどメーカーにしかできないこともあります。
ただ、「キッチンはシステムキッチンを入れるもの」と決まりがあるわけでは無いし、当たり前ではないのです。
値段も30万から50万、作りようですが、基本的にシステムキッチンと大差ありません。
特にコンロとシンクが別のアイランド型などでは現場造作のほうが確実にコストは落とせます。
皆さん以外に高い物を買わされているんです余。いろいろな可能性を検討しましょう。

オーダーしてあった天板ステンレスが搬入されました。
コンロ部を段落ちさせた形状です。

去年の現場こんな感じになります。
キッチンをつくっちゃおう!
いろんなキッチン提案します。お問い合わせください。もちろんリフォームでも使えます。


12/02
Sun
Category:石原の家
ジュニア誕生後初、みんなで打ち合わせ

優の家
今年一番という寒い朝の日曜日
ジュニア誕生後初のみんなで打ち合わせ
朝早くいらしていただきました。
お子さんご一緒での打ち合わせで朝早いのは何かと大変だと思います、ありがとうございました。
今日は第一回目の工事見積もりの提示をさせていただきました。
年内工事契約が目標です。
アーキクラフトの仕事では、施工者に詳細見積もりをお願いしていますので、今回の見積書も45ページに及びます。
釘一本とまでは言いませんが、構造材に関しては梁一本一本まで全て拾いだし、単価を入れてもらいます。
ただ負担を強いているわけではなく、そのような作業を経ることにより施工側も詳細が頭に入り、自分の現場となっていきます。
また、工事が始まってからの変更工事や追加工事なども、当初の詳細見積もりで単価がクリアーになっているのでわかりやすくなります。
これは施主と施工者の関係においてもよいことなのですし、監理者である設計も楽になります。
契約時の見積もりを一式として中身がわからないようでは、あとでのトラブルになりかねません。
能力的に詳細見積もりが出来ない工務店さんもいます。
また、自分の会社の標準仕様に対しての差額みたいな見積もりの仕方をする工務店さんもいます。
それでは根拠がわかりません。
経験的にそのような施工者はおおかた図面通りの仕事が出来ずに、あとで混乱します。
少し時間がかかっても見積もり段階の質疑応答からチェック、修正、再見積りの作業はしっかりやって、契約につなげましょう。
大手のハウスメーカーのように展示場があり、「モデルと同じもの」という契約であれば現物があるので詳細見積もりは必要ないのかもしれませんが、そうでなければ必要です。

12/01
Sat
Category:山と材木
木は生きているか?

木は生きている?
木材として使われる製材された「木」は生物的に生きてはいません。
木材関係者や建築関係の方々はよく「木は生きてますから」と言う言葉を使います。
湿度を吸収して膨張したり、乾燥して収縮したりすることを「呼吸している」と説明しそれを補完するために「生きている」と言う表現をするようで、情緒的表現というところでしょう。
立木の状態であっても樹幹の大部分は活動を終えています。
生きて活動しているのは、形成層、内樹皮、それと辺材の細胞だけで残りの内部部分は活動を終えた状態であり、生理作用はしていません。
直径1.0m程度の樹木でも表面から5.0cm程度しか活動をしていないようです。
伐採されれば当然生きていた部分も活動を終え、細胞も死んでしまいます。
ところが、死んだはずの木材の線維細胞はまるで生きているように水分を吸収したり放出したり、その過程で寸法変化を起こしたりします。
建物完成後住み始めてから「ピキピキ」とか「パキ」とか木が鳴ることがよくあります。建て主に理由を聞かれると、「木は生きてますから」などと説明している場面がありますが、十分な説明ではありません。情緒的説明では物事があいまいになりトラブルのもとになります。
説明するのであれば、木材の吸湿放出と膨張収縮の性質を説明したうえで「乾燥により発生した部分的な応力を開放するために音がするだけで、いずれ安定すれば止まります。部分的な割れを伴う場合もありますが構造強度には影響ありません。」とでも説明すべきでしょう。
「塗料を塗ったら木が息が出来ないので死んでしまう」とか「人工乾燥は木を殺してしまうとか」情緒的な表現が現場ではよく使われます。
「木は生きている」との前提にたてば間違った表現の仕方ではないかもしれませんが、情緒的表現だけでは木材の良さが伝わらず、結果、木材利用の幅を狭め自分たちの土俵を狭めてしまうことになりかねません。
情緒的表現にプラスして論理的な説明を果たし、木材の良さを伝えていこうと考えています。
Q:「木は生きている?」
A:「生きてはいないけれど木の繊維は生きていた時と同じように吸湿・放湿を繰り返し、室内環境を安定させてくれる性質を持っています。」


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