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埼玉県の設計事務所 アーキクラフトのブログです。 自然素材による家づくりを一生懸命行っています。

 

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01月の記事一覧
Posted on 17:22:01 «Edit»
2013
01/31
Thu

Category:石原の家

今夜もビールがうまいぞ! 


P1316158-1.jpg
鎮物
お守りです。
未来永劫このお家の暮らしを守ります。
基礎の下に埋めます。

今日は先勝よく晴れた地鎮祭日和です。
優の家

お住まいを見せていただいたり、現場を見せていただいたり、木を切ってもらったりと一事務所のキャパを超える仕事を皆様のご協力のもとにやらせていただきここまでたどり着きました。
いつもいつもありがとうございます。
なんて終わったみたいな物いいですが、実際アーキクラフトが明日なくなってしまっても予定通りに家は建ちます。
いるといないでは多少違ったものになるでしょうが図面通りに建てられれば、概ね変りはないはずです。
そういう意味で地鎮祭を節目として、現場に引き渡す感はありますし、大きな荷物を引き渡した安堵があります。
これからは設計者から監理者の立場として建て主に代わり、現場を見ていきます。

今夜もビールがうまいぞ!

P1316153-1.jpg
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Posted on 18:55:04 «Edit»
2013
01/30
Wed

Category:石原の家

加工の会議 


P1306129.jpg
今日は「優の家
加工打ち合わせ
在来軸組み工法は、全ての骨組み(主要構造部)を加工場で寸法カットの上加工し、現場では組み立てるだけになります。
他の国の家づくりには無い非常に高度なシステムで、それは手加工であろうとプレカット(コンピュータ入力によるマシーンカット)であろうと変わりません。
普通に街中で見られる風景の上棟ですが、実際に自分の家があっという間に現場で組みあがって行くのを見ると皆さん驚かれますね。

今日はその大切な下準備で、関係者揃いました。
加工上の問題点を製材・加工担当が提起し仕上がりを考えながら設計者が答えるとともに、工務店は施工者としての現場納まりやコストについて方法論を出し、折り合いをつけていきます。
ほぼ全ての構造材が室内に現しとなりますので大変神経を使います。
この後は加工図を修正し、設計者が承認すれば加工にかかります。

考えてみれば一般的な家で、設計者を交えた加工の会議なんてないですよね。
ましてやそこに製材業者が加わるなんて普通ありえない。
ということは普通の家じゃないのかというと、そんなことはないんです、ただ丸太や曲がった梁や構造材が全部見えちゃうんで気を使っています。

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Posted on 16:31:10 «Edit»
2013
01/29
Tue

IMG_1455-1.jpg
皆さんご無沙汰しています。
最近は当ブログにもさっぱり出してもらえません。
結構人気があると思うのですが・・・

私はアニマルプラネットというチャンネルが大好きです。
先日は鳥の生態を詳しく解説していました、巣のつくり方や、子育てはとっても為になりました。
鳥の名前はわかりませんが意外に低いところに巣を作る習性があるようなので狙いどころ満載です。
どういう仕組みかわかりませんが、TVの裏には居ないことはもうわかっています。
かつては私もどこかにいるはずと思い、TVの裏や下の方を探し回りましたが、どこにもいないのです。
IMG_1462-1.jpg
数日後今度は人の手で育てられたビッグキャット(山猫)を自然に返す試みが映し出されていました。
大きくて犬ぐらいありちょっと怖かったですね。
この辺にいる大きい猫は道路の向こうに住むチャッピーですが、気が小さく私の相手にはなりません。

だいたいいつもこんなポジションでアニマル系は見ています。
TVは4Kハイビジョンにしてもらいたいです。
IMG_1463-1.jpg
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Posted on 18:15:27 «Edit»
2013
01/28
Mon

Category:上戸新町の家

キッズコーナーで遊ぶキッズ 


アーキクラフトには展示場も写真の綺麗なパンフレットも、坪単価の表示もないのです。
不親切なのかもしれませんが、その人その家族で相応しい住まいは違うものだと考えると、そのようなものはどうやって作ればいいかわからないのです、いつも違うものをつくるので難しいです。
スタンダードな仕様はありますが、建物の形態は様々なのです。
もっとも設計事務所では作ってもスチレン模型程度が限界です、というわけで今日は生活しているお宅を実際に見せていただきました。
形態は違っても考え方や、素材は基本的に大きく変わらないので参考になります。
P1266102.jpg
キッズコーナー?で遊ぶキッズ
P1266106.jpg
検討中のご主人を私に代わり説明してくれるご主人
P1266107.jpg
検討中の奥様を私に代わり説明してくれる奥様
見てるだけの私
ありがとうございました。
木玩の家
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Posted on 17:09:32 «Edit»
2013
01/27
Sun

Category:上戸新町の家

新しい友達 


P1276127-1.jpg
新しい友達です。
川越の上戸新町にお家をつくります。
メールで初めてお問い合わせをいただいたのが10月23日でしたので、ちょうど3か月目の契約です。
ラフプランを作ったりいろいろお話をしたり、3か月前から設計は始まっていたようなものですが、設計契約書という書面にし、責任の範囲と報酬を取り決めました。
本格的な設計はこれからだけれど、この3か月で家族の思いや、暮らし方、大切にしたいものなどが見えてきました。

目で見える効果があるわけでもなく、結局形に残らないこの3か月のやり取りだけれども、私たち(家をつくるものとしての建て主・設計者)にとって本当に価値のあるものごとは往々にして、このような効率の悪い時間の中にあるのだと思う。
形にはならなくても無駄な行為ではない。
私はそう考える。実感として、そして経験則として。

枝葉はたくさん出てきても幹がしっかりしていれば概ね問題はないのです。
方向性と意識の共有もできました。
良いお家をつくらせていただこうと思います。

建物を見せたりしていただいた、木玩の家さん市ノ川の家さんありがとうございました。

上戸断面1-2
上戸新町の家
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Posted on 17:34:22 «Edit»
2013
01/26
Sat

Category:設計仕事

オリジナル商品の開発!! 


20130125_1009120420130125.jpg
ステンレス8mmの無垢のパイプを近くの町工場からナザトが調達してきました。
1本500円だったということですが、アルミの中空パイプでもホームセンターなら倍ぐらいしますね。

何をたくらんでいるかというと
オリジナル商品の開発!!

20130125_1119160720130125_111916.jpg
ナザトが曲げました。4本中2本失敗しました!
さて何でしょう?
梁に掛ける室内物干しの受け金具です。
室内乾しの方が多いし、なにせ梁現しのお家ばかりなので、掛ける場所はたくさんあるんです。
水平天井の家では使い道が無いかもしれませんね。

というわけで一セットいくらにしようかな??
2000円かな
儲かるかな??
儲からないだろうな。

ちかじかどこかのお家に届きます。待っててね。

ほしい人作りますよ。注文受付中(納期を期にしない人限定)


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Posted on 18:20:46 «Edit»
2013
01/25
Fri

Category:B/strage

階段の仕上がりは? 


20130124_1114310320130124_111431.jpg
B/STORAGE
階段の左側の棚は階段途中にある本棚を大工さんが作ってくれています。
階段は桧ですが、本棚は杉です。
階段は角の減りを考えると桧がいいですね。本棚は杉がいいということはありませんね予算の都合です。
段板と厚みを同じにして高さも合わせているので同じ桧の方が綺麗かもしれないけどまあそこは・・・

20130124_1143570720130124_114357.jpg
階段の裏側です。
裏側にしておくにはもったいないぐらいの仕上がりです。
べニアやパッキンを使わないので非常にきれいです。
階段の段い他を受けているのは杉です。
ササラ形式ではなく力桁形式なので段板の上のすっきりします。とは言っても普通はイメージできないでしょうね。
ササラは段板の厚みを堀込んで段板を納めるもの、力桁はその上に段板を乗せて納めるものとでも申しましょうか、ササラがあるとこのような本箱はできないのです。

飯田建築階段も上手です。
20130124_1144060920130124_114406.jpg
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Posted on 15:12:48 «Edit»
2013
01/24
Thu

Category:野の花

野の花 基礎工事 


20130124_14493602P1010113.jpg
「野の花」基礎工事

今日は基礎の立ち上がり部分(梁)のコンクリートを打設いします。
コンクリートの打設自体はプロが行う仕事ですから特別難しい仕事では有りませんが、非常に重要な仕事になります。

事務所が立ち会う理由は、重要な構造金物が必要な位置に正確にセットされているかの確認
後から違っていた場合に対処するのは非常に大変なことになります。
基礎を壊すことは避けたいので、上部躯体の耐力壁の位置などを見直し対処します。
それで無理なら、ホールダウンをケミカルアンカーで追加するか、などいずれにしろ良いことではないので確認に行きます。

それともう一つ、後では取り返しが出来ないのが、コンクリートの配合強度
指定配合になっているか、どこかで情報が伝わらず間違うこともないとは言えません。
万が一違っていた場合は、生コンミキサー車はお帰りいただき新たに正しい配合で打設します。
違っていた場合に基礎が出来上がった後での対処方法としては、解体するしかないのです。
補強方法はありません。
それで良しとするか、解体するか2つに一つ
そんな判断をしたくはないですからね。
うちでは立ち合います。

またプラントの配合出荷証明が無いコンクリートの受け取りは出来ません。
配合は目視ではわかりませんからね。

設計強度30kn スランプ15 住宅の基礎ではあまり見ないと思います。
高強度です。

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Posted on 18:28:37 «Edit»
2013
01/23
Wed

Category:設計仕事

今日は日記みたいになりました。 


20121222_14431820121222.jpg
今日はずーと事務所にいました。
デスクワークの方が多いけれど一日中昼も外に出ないでこの狭い事務所にいるのは割と少ないです。

午前中は、仲間の設計事務所
吉田健司アトリエの吉田君が来てしばらく今後の設計事務所のあり方など名里を入れた三人で真面目な話をしました。
明確な答えは出ないけれど、近い方向性を持った仲間とつながることは大切です。

午後は、都内のコンサルト会社に勤めている同級生が今日は休みだと言ってやってきました。
国都交通省関係の土木建築コンサルタントなので、これから3月いっぱいは休みが無いようです。
「住宅はいいよな~」とか言っていたので、「やれるものならやってみな」とか楽しい会話です。
全国区の大きな仕事も予算と人手が無いので厳しいと話していましたが、今後はインフラ整備でお金が回るだろうから期待してる。と言っていました。

そのあとは、工務店、製材業者、プレカット業者で雁首合わせ「野の花」の最終加工打ち合わせでした。
図面上での納まりと現場での納まり、加工する上での問題など、この会議が今後の現場を左右する重要なもので、この会議の後はかなり疲れます。
そのあとは「B/storage」を任せている飯田建築さんがきてB/stのタイルの色を決めました。(基本いつも白ですが)

最後の〆はこれから築30年の木造住宅リフォームの相談にお見えになる方がいらっしゃいる予定です。
リフォームで設計事務所が積極的にかかわるのはリフォームにしては比較的大きな規模になるのが一般的です。
リフォーム会社がたくさんある中で、設計事務所に何を期待するのか、よくお話を聞いて期待に添えればいいなと思いますが、人との出会いは楽しいものです。

写真はなんだとおもいますか?
これは市ノ川の家のバルコニーにある物干しです。もちろんもう一個あります。
穴に物干し竿を通します。
ほしくても売ってませんよ。一応これもアーキクラフトオリジナル

今日は日記みたいになってしまいました。
ではまたあした。

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Posted on 18:31:29 «Edit»
2013
01/22
Tue

Category:設計仕事

快適なリビングにするために 03 


067-LD-snap-8_w2.jpg


快適なリビングにするために 03

リビングの広さはどのぐらいが適当でしょうか。
プランニングを行うときは各部屋同士のつながりと、空間の大きさのバランスを考えることが大切です。
個室重視の考え方もありますが、快適なリビングという考え方では、来客があっても居心地のいいある程度の広さは必要です。
住まい全体の面積を抑えた住宅の場合は特に個室の面積を最低限に絞ってでもリビングに回したいところです。
個室にははっきりとした性格を与えます。
「寝る・勉強する」などです。
そのほかのことをやろうとすると狭い。そのぐらいでいいのだと思います。
そのほかのことは皆リビングに集まる。
居心地がよくみんなが集まるリビングが出来上がります。

また、物理的に広い空間が取れないとき視覚的に広く感じさせる効果的な方法もあります。
まず家具の高さ、狭い空間に背の高い家具は圧迫感を生みます。視線が家具で止まってしまい狭く感じてしまいます。
逆に腰高程度の窓であれば、視線は壁まで届き、狭さを感じません。
また、同じ考えで視線の先に外の景色を写す窓があると、さらに広く感じます。
窓の取り方にも、開放感を演出する方法があります。
外の景色を写すのも視線に広がりを待たせるのに大切ですが、南も東も西も外の景色を写すのはなかなか出来るものではありません。
隣地に隣合せている面などは、窓の取り付け高さを工夫します。
地窓で空気を呼びこみ、ハイサイドライ(天井に近い上の方に大きな窓を取る)でお隣の視線を遮りながら、広がりを得ることが出来ます。
ハイサイドライとは隣地との隙間が狭くても、座った視線からでは空を見ることも可能になり、明るく開放的な窓の取り方になります。
068-LD-snap-9_w2.jpg

さらに建物の外部に広がりを持たせるために、ウッドデッキ等をリビングとの床と同じくらいの高さにつくることも効果的です。
ポイントは段差をなるべくつくらないことです。
2階がリビングの時にも、バルコニーの床を段差なくつくれば広がりが感じられます。
また、ウッドデッキや2階リビングからつながるバルコニーはある程度の広さ(テーブルとイスが置けるくらい)が確保できると屋根はないけれどもリビングの一部として視覚だけではなく、物理的な意味でのリビングの広がりにつながります。

家具の置き方や、窓の取り方、使えるウッドデッキや使えるバルコニーをうまく取り入れることで、実質的に広がりのあるリビングをつくることが出来ます。
プランニングの段階から考えておくことが大切です。
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Posted on 18:10:50 «Edit»
2013
01/21
Mon

Category:山と材木

皮むきイベント 開催しました! 


P1206019-1.jpg
天気にも恵まれた一月にしては意外なほど暖かい日曜日

「人力皮むき」体験イベントでした。
大勢の方に参加してもらいました。
剥いた材木は秋に伐採した杉の木です。
この材木を使っ体家が2月から着工します。「優の家」

今回は協同組合 彩の森とき川
NPOモクイエ
の協力により開催できました。
たぶん埼玉新聞にも近いうちに記事が載ると思います。

P1206031-1.jpg
一生懸命竹へらで剥いていましたね。
伐採しているところから見ているし、皮も自分で剥いたんだからお家も大事にしてくれると思います。
P1206020-1.jpg
こんな感じに向いて最後はこんな感じになります。
つるつるです。
P1206041-1.jpg
日曜日にそこまですることないんじゃないの?
という人もときどきいます。
でも思うのだけれど、自分にとっての仕事はすでに暮らしの一部であり、暮らしと考えたときに「十全な暮らし方をしたい」とおもっているのです。
どんな材料でも家は造れますよと言って暮らす「仕事」よりも、目的をもってこだわって暮らす方が、自分にとってはるかに好ましい、このようなイベントで人と繋がることは確実にそれを助けてくれるのだと考えていますし、たぶんスタッフで参加してくれている人達の多くもどこかで近い思いがあるんじゃないかなと思います。
だからやってられるのでしょう。
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Posted on 18:07:58 «Edit»
2013
01/19
Sat

Category:設計仕事

階段の場所は意外に難しい。 


030階段ホール_s


階段の場所が決まれば暮らし方が見えてくる

階段にはいろいろな形態があります。
ストレートであったり、L字型、U字型、螺旋であったり多種多彩な形態が考えられます。
階段の幅や踏み板の幅、蹴上の寸法など建物の種類により建築基準法により規制がある場合もあります。
また、火災などの非難を考えて消防法でも規制がある場合があり、階段だけの専門書も出ているくらい奥深いものです。

技術的なことはさておきプランニングの中で階段は大切な要素です。階段を考えていくと暮らしが見えてきます。
階段の役割は上下をつなぐ通路、この「つなぐ」という機能は廊下にもあり、水平方向をつなぎますね。
一般の方でも間取りを考えるのが好きな方がいらっしゃいます。
でもなぜか皆さん階段の位置で悩まれます。
階段の位置を家のどこに持ってくるかを考えるのは意外に難しいもの、その理由は「なくてはならない場所が無いから」、わかりにくい言い方ですが、リビングは南の日当たりのいい場所、玄関は道路に近く、ダイニングは朝日の当たる場所で、などと割り振るためのきっかけがありますが、階段に関してはどこでもいいような、余ったところでいいような、特定する理由が見つからないというのが階段の「なくてはならない場所が無い」的な性格なのです。
でもその位置によっては廊下が長くなったり、暗くなったり、閉鎖的な間取りになってしまったりします。
特定の事情が無い限り階段は住宅の中心近くに持ってくると良い間取りに近づきます。

まず中心に来ると2階の廊下が少なくて済みます。場合によっては廊下のない間取りも可能になります。
階段は登り始める位置よりも、登り終わる位置が間取りの中心に近く来るようにすると、つながる2階の各部屋の納まりがよくなります。
この場合の「納まり」とは採光や通風や開放性や可変性ということです。
2階に多く配置される個室は、できるだけ光を入れ、風を入れたいものです。また、隣の部屋をつなげたり、将来の暮らしの変化にも備えたいものです。
そう考えると各部屋は外部に開口部を取り、開放的になります。その時の部屋の入り口は当然間取りの中心方向に向くことになります。つまり階段の位置は必然的に間取りの中心になるのです。

階段の位置が間取りの端にあったりすると長い廊下が必要になり、開放性もなくなります。
中心近くにあると建物面積も抑えられ、建築費も抑えられます。
また廊下とは違う広いホールは2階に第二のリビングとしての機能も付加してくれます。
個室のドアが向き合いみんなの顔が集まる明るい階段ホールは楽しいですね。
ちょっとしたカウンターをしつらえて書斎コーナーや遊びのスペース、洗濯干しの場所にもなりますね。

また、空気の流れを考えたときに階段は住まいの中の煙突として機能します。
一階から2階へ気流をつくり、大きな空気の流れをつくり快適な室内環境をつくるにも中心に近くにある意味は大きいのです。

間取りで悩んだときは階段を真ん中に組みたててみましょう。
納得の間取りが出来るかもしれません。

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Posted on 19:45:53 «Edit»
2013
01/18
Fri

Category:石原の家

ビールがおいしい日 


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川越市優の家
昨日工事契約となりました。
見積もり依頼から工事契約まで今回は約2か月かかりました。

細かい見積もりには時間もかかるし、一度でまとまることはないので設計が完了してからも着工までは時間がかかります。
支払いタイミングや、部分払いの金額など調整することはたくさんあり契約まではひと山あります。

秋に伐採した写真の杉は梁と、柱で使います。
メインは6.0mの太鼓梁です。
今度の日曜日はこの杉の木の皮を剥くイベントです。
毎年恒例人力皮むきイベントやります。
もしかしたら春にも第二弾やるかもしれません。

今のところスタッフを入れて20名ぐらいになりそうです。
当日参加もOKです。
どうぞいらしてください。

下の写真はひと山越えた契約後の雑談風景
こちらも一安心でビールがおいしい日になりました。

今までの打ち合わせはアーキの事務所でしたが。今後は工務店の事務所や現場での打ち合わせが多くなります。
工務店は最近HPが新しくなったこちら盟章建設

P1176008.jpg
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Posted on 18:54:27 «Edit»
2013
01/17
Thu

Category:設計仕事

小さくても暮らしやすい家がいいね! 


055-LDK-snap-2_w6.jpg

小さくても暮らしやすい家

読売新聞の生活面に小さな家で暮らす話が出ていました。
家計節約という側面から小さな家を選ぶ人もいるけれど、経済的に余裕があっても、物を必要以上に持たない簡素な暮らしを実践しようと、小さくて狭い家にあえて住む。そのような考えの人も増えている紹介でした。
新聞で取り上げていたのは、日本の話ではなく、広大な国土を持つアメリカの話としての記事でした。

狭い家に住むには必然的に持つものを選択するようになります。手元に置けるものが限られてくるので本当に必要なもの、本当に気に入ったものを取捨選択しやすくなります。

日本では「方丈記」で800年前に鴨長明が京都で実践し、「ほど狭しといへども、夜臥す床あり。昼居る座あり。一身を宿すに不足なし」と説いています。
この家は方丈の広さということなので今でいえば約3.0m四方、まあ家族ですむには無理ですが、スモールハウスの先駆けです。
日本の建築的には1960年台に池辺 陽という建築家がスモールハウスを提唱し住宅の質の変革を追求しました、個人的に好きな建築家なので、今でも古い写真集などをたまに手に取ります。
現代では東大の池部研究室にいた難波 和彦氏がその考えを受け継ぎ、工業化されたタイプや木造タイプの「箱の家」シリーズを発表して高い評価を得ています。
アーキクラフトでは、2011~2012にかけて北本の「蜜柑の木の家」の計画において「子供に引き継ぎ、生活の変化に対応する」をテーマに不都合なく暮らせる大きさを建て主さんと共に考えました。
その時の大きさは、家族4人で26坪+付近抜け1坪、家族構成の変化も折り込み計画した家では現在家族4人が楽しく暮らしています。
060-LD-snap-1_w6.jpg

経済が拡大しているときは、より大きく、より広く、より多くを求める暮らしがもてはやされました。
ある意味それが幸福なのだと勘違いさせられてきたように思います。
その価値観に疑問を持つ人たちが増えているように感じます。

東日本大震災以後、「方丈記」がよく読まれ、「断捨離」がはやり、日本人の暮らしに対する幸福感の質は確実に変わってきているのだと思います。

「小さくても暮らしやすく、子供たちの世代に引き継げる可変性のある家」
これからもこのテーマを中心に仕事をしていきます。
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Posted on 18:23:07 «Edit»
2013
01/16
Wed

Category:設計仕事

地震保険を学ぼう! 


056-LDK-snap-3_w6.jpg
地震保険について
明日1/17日は阪神淡路大震災が発生した時から18年目になります。
東日本大震災からも早くも2年になろうとしています。

今後30年以内の地震確率が見直され、関東の主要都市でも50%を超える数字が示されました。
この機会に地震保険や火災保険を検討して、未加入な方には加入をお勧めいたします。

どこの損保でも住宅にかける地震保険は、単独で掛けることはできません。火災保険とセットになっています。
火災保険に入っていれば安心かというとそうではありません。通常の火災保険では地震や噴火の影響で火災になった場合は保証されません。津波の場合も同様です。

地震保険は国と損保会社が共同で運営する保険で、保険支払金額についても火災保険の保険金額の30~50%と範囲が決められています。
しかも建物で5000万円、家財で1000万円の上限があります。
火災保険と同額の保証は受けられないのです。
これは単独の火災と違い、地震の場合の火災は数多く、同時に発生する可能性が大きく保障リスクの管理のためだと思います。

ただ、たとえ火災保険の30%とはいえ被災した場合の生活再建の役には立ちます。
地震保険が通常の火災保険と違うところがここです。
つまり火災保険は建物の再建を考えた保険であり、地震保険は生活再建のための保険だということです。

大きな地震があるたびに地震保険の加入は増えてきました。2012年の発表では火災保険の新規契約の内50%が地震保険とのセットということです。

また、地震保険の特徴は建物の立地エリア、建物の構造により保険料が変わるということです。
日本で一番保険料が高いエリアは、東京・神奈川・静岡で埼玉県に比べて2倍近い保険料になります。
木造住宅保険金額1000万では東京・神奈川・静岡が3万1300円
埼玉では、1万8800円です。さらに岩手・秋田・富山・など複数の県では1万円となります。
これは立地による発生地震確率と住宅密集度などが勘案され定められているようです。
最も高いエリアでは約3倍のリスクがあるということです。
また、建物の構造によっても非木造住宅の場合は割安になっています。

そのほかには建物の耐震性によって保険料が10%から30%下がる割引制度などもあります。
耐震等級2を取得すると20%割引
耐震等級3を取得すると30%割引
免震住宅で30%割引(ただし建設省告示第2009号告示で定めた免震建物に限る)

このような割引制度がありますので、耐震等級も取得しておくと有利になります。
気を付けなければいけないのは、耐震等級の場合は耐震等級を実際には2ないし3で造られている建物であっても、性能評価や長期優良の制度の中で認定を受けている住宅であることが条件となります。
つまり(耐震等級2だから)と言っているだけではだめなのです。
また、免震住宅の場合はさらに建設省告示第2009号告示に定められた工法によると規定されていますので免震の中でも対象とされる工法が限定されます。

新築の場合は保証の仕組みをよく理解して有利に家づくりを進めましょう。
有利に進めるコツは建築工事契約・設計契約に際して最初から地震保険を割引で受けられるように。などと条件を出しておくことをお勧めいたします。

アーキクラフトの設計する住宅はバランスを考えた上で、耐震等級2・省エネ等4・劣化等級3・維持管理等級3が基本となっています。
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Posted on 19:38:53 «Edit»
2013
01/15
Tue

Category:設計仕事

快適なリビングにするために 02 


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快適なリビングにするために 02

家族みんなが集まり、来客も迎え入れる、家の中で一番居心地がいい場所にしたい。

リビングの中にある通路
どの部屋の中にも通路に当たる部分があります。
リビングは家族みんなが動きますので個室以上に通路部分の位置は大切な要素になり、動きやすい、動いたときにほかの人の邪魔にならない通路部分の設定は大切です。
廊下のないリビング中心の間取りでは、リビングから階段、リビングから洗面やトイレ、リビングからキッチン、玄関ホールなどいくつものスペースにアクセスしています。
この通路が整理できていないと家具の配置などで納まりが悪く、使い勝手が悪くなってしまいます。
たくさんの通路(動線)があると必然的に家具の配置は限られます。
ソファーとTVの間を横切るような動線はできれば避けたいところ。

各スペースの出入り口を整理することが大切です。
キッチンと洗面を隣り合わせキッチンへのアクセスと洗面アクセスを同一にする。階段とトイレのあぅせす方向を同一にするなどの工夫が必要になります。
また、家具の配置で動線を整理することも考えましょう。
リビングの中央にソファーやテーブルを配置するのも意外に有効で、ソファーの前を横切らない動線をつくることが出来ます。
さらに、家族それぞれのリビングでの使い方に合わせ、家具でリビングの中をいくつかのスペースに分けることも考えられます。低い家具であれば区切りながらも一体感のある空間がつくれます。

家族が自然に集まり、くつろげる空間はある程度の広さが必要です。
どのぐらいの広さが必要か、どのくらい家具があるのか、考えることはたくさんありますが、子供たちは成長してくると一緒の空間にいても違うことをして過ごすようになります。
年齢が違うと性別が違うと余計過ごし方は違ってきます。
みんなが集まるリビングにするには、将来のことも少し考え、余裕をもっておきましょう。
また、広ければいいかというと、広すぎる空間で全く動線と離れてしまう孤立したスペースでは家族との関係が希薄になり寂しいもの、同線と離れすぎない工夫も必要です。
ただし書斎コーナーなどは動線とはずれたところにあると逆に落ち着いて使いやすくなります。

くつろげる空間は通路になる動線と溜りになる空間が分離されていることが大切です。
ソファーの前などはできれば動線をつくりたくありません。目の前を横切ったりすると、本を読んでいたり、TVを見ていたりする時に落ち着きません。
「くつろげる=落ち着く空間」は動線で決まります。
家具の配置も含めてプランニング段階での十分な検討が欠かせません。
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Posted on 18:03:58 «Edit»
2013
01/13
Sun

Category:設計仕事

快適なリビングにするために 01 


024書斎_s
木玩の家リビングの中のみんなの書斎

快適なリビングにするために 01

家族みんなが集まり、来客も迎え入れる、家の中で一番居心地がいい場所にしたい。

茶の間
日本では家族がくつろぐ場所を古くから茶の間と呼び、客間とは別にしつらえてきました。客間がハレの場であり、茶の間はケであり、日常と非日常が分けられてきました。

リビング
今でいう家族がくつろぎ、来客も迎い入れるリビング(居間)が庶民の家につくられる様になったのは昭和に入ってからなので、意外にその歴史は浅いのです。
ただし当初は、戦後までは主に来客を迎え入れる場としてつくられてきました。

快適なリビングにするためにはどうしたらいいでしょう。
少し整理してみたいと思います。
リビングに求められる機能から考えてみましょう。
リビングというキーワードからは「だんらん」「くつろぎ」などが思い浮かぶと思います。
お茶を飲みながらおしゃべりしたり、新聞や本を読んだり、明日の話をしたり、寝転んでTVをみたり、昼寝したり、友達を読んでお酒を飲んだり、人によってそれぞれ、リビングでやりたいことはたくさん思い浮かぶと思います。
このたくさん思い浮かぶというのがポイントなのです。

家族それぞれがやりたいことがあり、それぞれが違う楽しみ方がある。
現代の暮らしは価値観が多様化しそれは夫婦、親子であっても同じことです。
リビングに求められる性質も一昔前とは変わりました。
私が子供の頃などは、食事をしたらみんなで同じTVを観る。
そんな過ごし方でした。今はどうでしょう。
新聞を読むお父さん、TVを観るお母さん、メールをする長女、
宿題をやる次女、ご飯をくれと騒ぐネコ、私の家のリビングの様子ですが、同じ場所、同じ空間にいてもそれぞれ勝手なことをしています。
「ソファーとテーブルセットをまず置いて」などと考えてはいけません。
その前に自分たちはリビングに何を求めるのか考えてみましょう。
子供たちが勉強できるスペースや、お母さんの仕事机、みんなで使える本棚、コレクションを飾る場所,趣味のスペースを用意するのもいいですね。自分たちがすごしやすい、そこにいたいと思う仕掛けを考えてみましょう。
そしてもう一つ大切なのは、来客を迎え入れるということです。
リビングに迎え入れる来客への対応はそれぞれの家族で考え方が違うと思いますが、私は改まって迎え入れるよりも、我が家の日常に気軽に迎え入れたいと考えています。
また設計としてかかわる方にもそのような暮らしを提案しています。
失礼なのかもしれませんが、我が家ではスリッパも出しませんし、上品なソファーもありません。
そのかわり素足でも気持ちいい無垢の床板の感触を楽しんでもらおうと考えています。
家具や調度品の豪華さや一般的には、という発想ではなく、住む人のこだわりが感じられるリビングのほうが、来客もくつろげて楽しいのではないかと考えています。

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Posted on 17:02:51 «Edit»
2013
01/12
Sat

Category:B/strage

いい色、すこしだけ桃色、日本の色です。 


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B/storage
飯田建築さん
大工道具
ノミ・のみ・鑿
刃の幅が違います。
沢山の種類があり用途に合わせて使い分けます。
真ん中のは3年目で新しいものだそうです。一番幅が広いものが大体10年目ぐらいだそうです。
砥いで使いますので使えば使うほど長さが詰まってきます。

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大工道具
かんな・鉋
こちらも幅が違います。
昨日現場の外でひなたぼっこしながら鉋の刃を研いでいたら、近くの現場の大工さんが来て、「今時鉋砥ぐ仕事があるんだ」と懐かしそうに話しかけてきたそうですが、普通使わないのでしょうか?
素手では大工仕事はできないので、ある意味、巧みに道具が使いこなせることが大工の存在価値でもあると思うのですがどうなのでしょう。

壁は漆喰ですが、天井は和紙を張ります。
ビニールクロスはここの所何年も使っていませんね、和紙はビニールクロスのように伸縮しないので少しだけ重ねて貼ります。
素材の特徴を理解して貼れる職人さん限定です。

ちなみに私の家はビニールクロスですが・・・

この2種類を使い分けることに決まりました。
「麻入り薄藤」
いい色、すこしだけ桃色、日本の色です。

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Posted on 18:08:12 «Edit»
2013
01/11
Fri

Category:設計仕事

今日は耐震診断 


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今日は耐震診断

寒い時期になると地震をイメージするのは私だけではないと思います。
阪神淡路は1月の17日
東日本は3月11日
2011年の長野・新潟県境で大きな被害が出た地震も雪がありました。
今年の冬はそのようなことが起こらず過ぎてほしいと願います。

今日は川越で耐震診断を行いました。
机上で行う診断を簡易診断と言います。簡易診断は行政によっては無料で行っているところもあるぐらいです。
何かのついでに自分の家の図面を持って見てもらうのもいいと思います。
また、設計事務所でも簡易診断であれば3万円程度で診断するところが多いようですので問い合わせてみるといいですね。
事務所であれば改修やリフォームを営業されることもないのですし、良心的に事後の策を考えてくれるところが多いと思います。
民間業者で「無料で見ます。」は後のことを期待しているので避けたほうが無難です。
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今日の診断は簡易診断ではなく、現地に行き図面を基に屋根裏に入り、床下にもぐり目視で確認できる範囲を確認し、現状を把握することから始まる「一般耐震診断法」となり詳細な判定が出来ます。

古い建物は腐食や劣化などもあり耐力が落ちている場合があります。そのようなことも劣化評価として検討し、全体の耐震性を評価します。
診断方法や手順は「木造住宅の耐震診断と補強方法」国土交通省監修に準拠して行います。

今回の建物は昭和55年ということもあり、予想した通り良い状態ではありませんでした。
完全に現行基準の強度に上げるのは費用対効果を考えると至難の業ですが、現状を把握し、弱点を把握できればどこをどう補強するのかが見えてきて無駄な補強工事をしなくて済むようになります。

「リフォームと合わせてきれいに、ついでに強くなる」ぐらいの考えがいいですね。
耐震改修だけでは少しさみしいですからね。

アーキクラフトでは耐震診断を業務として行っています。
お問い合わせください。
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Posted on 18:40:43 «Edit»
2013
01/10
Thu

Category:構造計算

木造 VS 鉄筋コンクリート 


木造 VS 鉄筋コンクリート

木造の建物では高層と言っても一般的に3階建て程度ですが、鉄筋コンクリート(RC)では木造では不可能な何十階もの建物が可能になります。
木造で高層というと法隆寺の五重塔やお城などがあります。

では地震に対してRCは木造よりも強いと言えるのでしょうか。
イメージとしてはかなり強そうですね。

コンクリートの長所はその圧縮に対する強さです。その力で階を重ねることが可能になります。
対して短所は塑性力が無い、硬いが故に粘ることが出来ないので、いったん破壊が進むと瓦礫になるまで一気に倒壊します。
広い敷地での爆破解体の映像を見たことがあると思います。アメリカなどではRCの解体工事ではよく採用されるようです。
アメリカでは日本に比べ地震による被害が極端に少ないのでRCの中に入っている鉄筋が少なく、爆破解体が可能になるようです。
日本のRCは鉄筋量が多く同じような方法は敷地が広い狭いにかかわらず無理なようです。

では地震国日本のRCにはなぜ鉄筋が多く使われるのでしょうか、鉄は引張に強く、圧縮に強いRCと組み合わせることでお互いの欠点を補い、圧縮にも引張にも抵抗でき、建物の粘りが増して地震にも耐えられるようになります。

外国に比べかなり多い鉄筋量と言われていますが、その量を定めているのは建築基準法です。
建築基準法で定められた地震・風圧力・固定・積載それぞれの荷重に対して安全であることを計算により確かめなければなりません。
基準法で定めているのは大ざっぱに言えば関東大震災に耐えられるレベルです。
このことは木造であっても同じです。
つまりRCであっても木造であっても地震に対しては同じ強さが求められていると言えます。

建物に車が衝突するイメージをしてみるとRCならば車が壊れ、建物は傷がつく程度のような気がします。
木造では車も損傷しますが柱も折れ、かなりの被害があるようなイメージが持てます。
実際に質量が大きく硬いRCは車の衝突エネルギー程度は耐えてしまいます。
しかし、地震のエネルギーはとてつもなく大きく、その影響は逆に重い質量のある建物ほど大きく受けます。
質量が大きいために軽量な木造よりも大きなエネルギーを受けてしまうのです。

つまり、鉄筋コンクリートの家だから地震に強いとは言えないのです。
逆に基準法レベルより耐震等級を上げた木造住宅であれば、基準法レベルのRCよりも地震に対しては強いと言えます。
もちろん際限なく強度を上げていく競争をするのであればプランニングによりますが木造に勝ち目はありません。

建物はその構造によりそれぞれ長所短所が生まれます。
大切なのは構造を選択するときにイメージが先行ではなく、正しい知識で選択をすることです。
その建物に何を求めるのかよく考えればおのずとふさわしい構造は選択できます。

迷った時は専門家のアドバイスを受けましょう。
間違ってもそれぞれの工法を売りにしている会社に行ってはいけません。
自分のところが一番に決まっていますので。

かくいう私は、住まいは木質でと考えている設計事務所です。
アーキクラフト

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Posted on 20:59:31 «Edit»
2013
01/09
Wed

Category:設計仕事

赤プリ解体 


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今日の新聞から建築業界注目の解体工事のお話です。

安全な超高層建物の解体技術をスーパーゼネコンが競っています。
造るだけではなく解体の中にも新しい技術開発はあるのですね、アメリカのように爆破するような力技は日本には向きません。

今注目されているのは赤坂プリンスの解体工事で、足場を組まず、上層部を残しながら中間層からだるま落としみたいに解体し、少しずつ縮めていくので毎日建物の高さが低くなっていくのが見た目でもわかるそうです。
この工法は大成建設が開発した「テコレップシステム」と言うそうです。

日本の超高層ビルの歴史は霞が関ビルに始まり、いまだ45年、子供のころ連れられて日本一高いビルと言われ上を見上げたら雲の中にあった驚きを私は今でも覚えています。
今解体されているのは霞が関ビルよりだいぶ後の1983年、まだ29年なんですね、木造住宅の短命が言われていますが大体同じような年数です、当時と言っても29年前の技術を総動員した先端建物が寿命29年、もちろん物理的な耐用年数を迎えたわけではありません。

所有者のコメントによれば「老朽化に伴いメンテナンス経費増大と収益性の悪化」が解体理由で新たに27000㎡のツインタワーを建設するそうです。
この場合の「老朽化」とは物理的なことではなく「集客率が落ちて競争に勝てない」という意味で使われているようです。

赤プリの設計は丹下健三、日本の高度経済成長を象徴する建築家で、海外でも高い評価を受けある意味日本の建築設計で頂点に立った人、東京都庁も丹下健三です。
2005年に亡くなっています。
存命であったら壊せなかったんじゃないかな、それほど影響力のある建築家です。

日本を代表する建築家が設計し、スーパーゼネコンが技術を尽くして建築した近代建築がなぜこんなに短命なのか、経済的理由は物理的理由を凌駕し、収益性が望めなければ解体される運命にあるのですね、とは言ってもこれは建てる段階で予想できたことだと思うのです。つまり当初から長寿命を目指したコンセプトではなかった。
ということではないかと思います。
同じ超高層の先駆けであるNYのエンパイヤステートビルは築80年を超えNYのシンボル的になっています。

建てたときの思想・コンセプトの違いからくるのではないかと思います。
住宅も同じで、耐震性、断熱性、省エネなど最新の技術・商品を寄せ集め建築しても、暮らしの変化に対応できなかったり、建て主に思い入れが持てないようなものでは住宅の寿命も短命に終わります。

商業的・経済的な理由で壊されることは住宅の場合少なく、壊される理由はそれ以外にあります。
住宅設計に携わる者の使命として、良い住まい、世代を引き継げる住まいを考えていかなければいけません。
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Posted on 18:20:25 «Edit»
2013
01/08
Tue

Category:設計仕事

階段の場所が決まれば暮らし方が見えてくる 


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階段の場所が決まれば暮らし方が見えてくる

階段にはいろいろな形態があります。
ストレートであったり、L字型、U字型、螺旋であったり多種多彩な形態が考えられます。
階段の幅や踏み板の幅、蹴上の寸法など建物の種類により建築基準法により規制がある場合もあります。
また、火災などの非難を考えて消防法でも規制がある場合があり、階段だけの専門書も出ているくらい奥深いものです。

技術的なことはさておきプランニングの中で階段は大切な要素です。階段を考えていくと暮らしが見えてきます。
階段の役割は上下をつなぐ通路、この「つなぐ」という機能は廊下にもあり、水平方向をつなぎますね。
一般の方でも間取りを考えるのが好きな方がいらっしゃいます。
でもなぜか皆さん階段の位置で悩まれます。
階段の位置を家のどこに持ってくるかを考えるのは意外に難しいもの、その理由は「なくてはならない場所が無いから」、わかりにくい言い方ですが、リビングは南の日当たりのいい場所、玄関は道路に近く、ダイニングは朝日の当たる場所で、などと割り振るためのきっかけがありますが、階段に関してはどこでもいいような、余ったところでいいような、特定する理由が見つからないというのが階段の「なくてはならない場所が無い」的な性格なのです。
でもその位置によっては廊下が長くなったり、暗くなったり、閉鎖的な間取りになってしまったりします。
特定の事情が無い限り階段は住宅の中心近くに持ってくると良い間取りに近づきます。

まず中心に来ると2階の廊下が少なくて済みます。場合によっては廊下のない間取りも可能になります。
階段は登り始める位置よりも、登り終わる位置が間取りの中心に近く来るようにすると、つながる2階の各部屋の納まりがよくなります。
この場合の「納まり」とは採光や通風や開放性や可変性ということです。
2階に多く配置される個室は、できるだけ光を入れ、風を入れたいものです。また、隣の部屋をつなげたり、将来の暮らしの変化にも備えたいものです。
そう考えると各部屋は外部に開口部を取り、開放的になります。その時の部屋の入り口は当然間取りの中心方向に向くことになります。つまり階段の位置は必然的に間取りの中心になるのです。

階段の位置が間取りの端にあったりすると長い廊下が必要になり、開放性もなくなります。
中心近くにあると建物面積も抑えられ、建築費も抑えられます。
また廊下とは違う広いホールは2階に第二のリビングとしての機能も付加してくれます。
個室のドアが向き合いみんなの顔が集まる明るい階段ホールは楽しいですね。
ちょっとしたカウンターをしつらえて書斎コーナーや遊びのスペース、洗濯干しの場所にもなりますね。

また、空気の流れを考えたときに階段は住まいの中の煙突として機能します。
一階から2階へ気流をつくり、大きな空気の流れをつくり快適な室内環境をつくるにも中心に近くにある意味は大きいのです。

間取りで悩んだときは階段を真ん中に組みたててみましょう。
納得の間取りが出来るかもしれません。
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Posted on 19:41:44 «Edit»
2013
01/07
Mon

Category:設計仕事

2世帯住宅のパブリック空間 


上戸イメージ

2世帯住宅のパブリック空間

当事務所では現在2世帯住宅の設計が進行中です。
どこまで共有し、どこで分離するのか暮らし方が問われるとともに2家族のコミュニケーションが自然にとれるような設計力も必要になります。

まずは家族のつながり方を考えてみましょう。
永い時間の中で生活スタイルが確立されてきた親世帯のスタイルを変えてもらうのは難しく、良い結果は望めません。
ドライなようですが、それぞれの生活スタイルを重視し、「ある程度分離」しながら考えるのが妥当なところです。
この時に大切なのは、「ある程度分離」ということで、せっかく縁あって一緒の屋根の下に暮らすことになったのですから、「完全分離」は寂しいものです。お互い楽しく暮らせるような工夫をしてみたいと思います。

玄関はそんなお互いのつながりを意識させる大切なパブリック空間となります。
暮らし方にもよりますが、玄関ドアと玄関ホールを共有することをお勧めしています。
生活時間帯が違うにしろ影響が少ないのは玄関です。
並んで二つの玄関よりもぐっと距離感が縮まり会話も増えます。
出来れば小さなリビングとしての演出が出来れば仲良し二世帯になれそうですね。
また、収納やクローゼットなども共有することで面積の有効利用にもなります。
お互いのリビングへの入り口などは引き戸にして、ある程度開放して置けば自然に気配も伝わり安心で来るとともに、帰ってきた子供たちもどちらの世帯にも障害なく入っていけます。
出来るだけ自然にコミュニケーションが取れる形態を考えたいところです。
また、玄関の中や外にベンチなどを置き共有したり傘タテを共有したりしてみましょう。
二家族のシンボルになるような植栽を玄関前に植えるのもいいですね。

大切なのは同じところを通る。
同じものをみる。
同じものを使う。
せっかく一緒に暮らすのですから楽しく暮らせる工夫を仕掛けていきたいと考えています。

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Posted on 18:08:41 «Edit»
2013
01/06
Sun

Category:建物

「地震に弱い瓦屋根」風評広まり? 


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「地震に弱い瓦屋根」風評広まり?
という見出しで1/6の読売新聞社会欄に瓦の記事が出ていました。

瓦屋根が日本で使われ出したのはなんと飛鳥時代、1400年も前です!
良い素材は残ってきました、最近出てきた化学製品じゃないんです。
経済産業省の統計によると、生産量は1973年が21億枚を超えていたけれども安価なスレートや、他の材料の普及により2010年では5億枚を割り込んだとのこと。
瓦製造業者も減少の一途。
製造事業者は79年の2688か所から10年では175事業所。
当然屋根に上り瓦を葺く職人も激減しているのでしょう、このまま減少が続けば国宝や寺やお城の瓦を葺く技術まで損なわれる危険があります。

確かに私が仕事を始めたころ、25年前は瓦屋根が普通のことでした。
当時もスレートと言われる(本物のスレートではなく)軽量屋根材が普及していましたが、主に建て主不在のローコスト建物に使うもののようでした。
また、瓦とは名ばかりのセメント系整形瓦も安いという理由からある程度使われていました。
瓦が極端に敬遠されるようになったのは、阪神淡路大震災以降です。重く、土で葺いた古い瓦屋根の建物が軒並み倒壊しました。
また、しっかりと固定せず屋根に引っ掛けてあっただけの屋根も、瓦を落とし、人的被害を与えました。

記事では業界のコメントとして「被害は瓦が重いからではなく、建物自体の老朽化が原因だった」と紹介しています。

確かにこのコメントは間違ってはいません。
しかし、すべての屋根瓦を野地板に固定すべきところを怠り、それが当たり前のようになされていたのも事実。
重く建物構造に過度な負担がかかったのも事実。

現在はその反省から、すべての瓦をステンレス釘を使い野地板に固定するのが主流になり、昔ながらの土を使う葺き方も見ることはなくなり、瓦とはいえ軽量な屋根になりました。
軽量になるということは建物としては楽になります。頭が重いと揺らされたときに踏ん張るのが大変ですからね。
しつかり固定され屋根から落ちてくる瓦を恐れることもなくなりました。
このように改良され安全度も上がったにも関わらず、瓦屋根の施工件数は増えません。

「瓦の屋根で」というリクエストが無ければコストが膨らむ瓦屋根を施工会社はあえて使いません。
耐震にこだわる設計事務所や施工会社も積極的には使いたがりません。いくら軽くなり施工も信頼できるとはいえ、ガルバリウムに比べれば約3.0倍、スレートに対しても2.5倍は屋根に荷重がかかります。
同じ耐震性能を持たせようと考えれば、構造骨組みをさらに強化しなければなりません。
耐震等級を要求される中では、プランニング段階から構造的な整合性を考えて組み立てていかないと要求された耐震等級が取れなくなる恐れが出てきます。
構造的にしっかりとしたプランニングを心がけるのは設計者として当然なことですが、瓦を使う場合は更に突っ込んだ配慮が必要になります。

飛鳥時代から使われてきた素材です。
文化財として木材の痕跡は残っていなくても瓦は出土し、往時の住まいを想像させてくれます。
超長寿妙な瓦、屋根素材として重さ以外は最高です。
小屋裏温熱環境にも優れ、野地板の通風もよく下地も長持ちします。

今年は「瓦屋根で!」とリクエストのある住まいを予定しています。

構造的な根拠を確認しながら余裕を持った構造強度を設定していきます。

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Posted on 17:44:56 «Edit»
2013
01/05
Sat

Category:設計仕事

床板のふわふわ現象は注意です。 



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今日からアーキクラフトは仕事をしています。
今年もよろしくお願いいたします。

朝新聞を眺めていたら、日本の石油コンビナートの大半は南海、東南海、東海、首都直下つまりは大規模地震想定地内に集中し、ほとんどが1960年台以降に建設で老朽化が目立ち、民間であるため耐震化も進んでいないようです。
政府は主要コンビナートの耐震対策防災強化に「国土強靭化計画」の一環として早急に取り組む方針を固めました。
大きな施設に関しては民の施設であろうと国が先導することが対処のスピードを上げるには必要なことだと思います。

住宅はどうでしょうか、耐震化が必要なことは様々なメディアで説明され、行政の補助金なども出るようになっていますが、一向に進まないようです。
徐々に進んではいるのでしょうが圧倒的に数が多いので目に見えて進まないというところでしょう。
1960年代に建てられた住宅は当然ながら当時の基準法に則りたてられています。
直接的な耐震性能のほかに当時の建物の弱点は水回りの構造部分です。ユニットバスはS55年以降1980年ごろから使われ始めました。それ以前の建物の水廻りの主要構造部(柱や土台)は経験的に相当痛んでいます。
しかし、水回りの一部が痛んでいても大きな地震でもない限りは建物は全体として構造的に成立しているので気が付くことがありません。また、一般の人ではなかなか調べるすべもありません。
簡単にわかる痛みのバロメーターとしては、トイレや洗面、台所、浴室付近の床板の痛みがあります。
1960年代から合板フローリングが使われ始めました。合板は薄いべニア板を接着剤で何層も貼り合わせています。

当時の接着剤は湿気に弱く、特に湿気の多い水廻りでは接着材がはがれ床板がふわふわしてきます。
ふわふわ現象が現れる場所はまず湿度が高い場所で、その近辺の土台や柱も永い間湿気にさらされているので相当痛んでいることが想像できます。

どれだけ立派につくった建物でも、銘木や高価な材料を使い贅を凝らし建物でも土台や柱が痛んでいては建物全体にかかる地震のような大きな力には耐えられません。
建物を襲う力は弱点のある部分に集中し崩壊させます。

床板ふわふわ現象に心当たりのある方は早めの対処をお勧めいたします。
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Posted on 00:00:00 «Edit»
2013
01/01
Tue

Category:日常

新年あけましておめでとうございます。 


2013年賀状2

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 誹謗 中傷 対策 ジャッジメントです。

誹謗 中傷 対策 ジャッジメントです。
そおですね、また見に来ます。

  by 誹謗 中傷 対策 ジャッジメント

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