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2012
11/20
Tue
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Category:山と材木
その目的は森林保護・地域材利用だけではない。

その目的は森林保護・地域材利用だけではない。
今年も伐採見学会で春に着工するお家の木材をときがわ町の山林で調達しました。
地域材を使うだけなら産地証明を出してもらい、搬入された木材を確認すれば足ります。
森林保護の啓蒙ならば都会でセミナーを行うだけでも効果はあるでしょう。
山側の思いは、地場材の普及にあるのはもちろん、たくさん使っていただき、地域の活性化、林業の活性化につなげたいのです。
見学者は家を建てる目的でない人も、家を建てる目的のある人も一般的にはイベント的な楽しみで見に来ます。
ここ何年か、できるだけタイミングを合わせ、建て主と山に行き、伐採するところを見ていただき、春にはイベントとして伐採した木の皮を剥いたりと体験作業をしていただいています。
地域の木材に目を向けていただくことも確かに大切なことですが、私の一番の目的は、「世代を超えて使っていただく」そうなるための一つの手段なのです。
巷にあふれるローコストと言われる金額では提供できない家づくりですが、100年とまでは行かなくても、2世代使えればスクラップアンドビルドで建て替えるよりも安くなると思うのです。
梁として使うには70年から80年の樹木を伐採します。
その質感を子供たちにも見せ、触り、また、春には自分の手で皮を剥く。
そのような実体験を通してできた家には、確実に思いがこもると考えています。
飽きられない、壊されないために間取りの可変性や、設備の可変性にも気を使いますが、住まう人の、特に子供に思いを込めることが一番有効なことなのだと考えています。
「ちょっとやそっとじゃ壊せないぞ」
こう思わせることが一番大切だと考えています。
プランニングにおいても「今」使いやすいだけではだめなのだと思っています。なるべく長いレンジでストーリーを考え、なるべく遠くの風景を見るように心がけ、それを理解していただく。
これも壊されない間取りに取り組む考え方だと思っています。
大切にしているのはひとつひとつの家に「尽くすべきは尽くした」と自分なりに納得し、住まい手に引き継ぐことなのです。
年間5~6棟の建築であれば一般的にどう評価されるのかはあくまで副次的なことでしかありません。
数少ない中でも、その中で失敗や反省や喜びから具体的な、些細なことでもいいから教訓を学び取り、次につなげていく、どうしたら永く使っていただけるのか、それが最大のテーマです。
結果は次の世代なので私が見ることはないのかもしれませんが、どこかの時点でそれらしき気配が感じられればいいなと考えています。


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わかるなぁ~
by 山口孝志華
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コメント
わかるなぁ~
2012/11/21 07:10 | URL | 山口孝志華 #mQop/nM. edit
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