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2013
01/08
Tue
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Category:設計仕事
階段の場所が決まれば暮らし方が見えてくる

階段の場所が決まれば暮らし方が見えてくる
階段にはいろいろな形態があります。
ストレートであったり、L字型、U字型、螺旋であったり多種多彩な形態が考えられます。
階段の幅や踏み板の幅、蹴上の寸法など建物の種類により建築基準法により規制がある場合もあります。
また、火災などの非難を考えて消防法でも規制がある場合があり、階段だけの専門書も出ているくらい奥深いものです。
技術的なことはさておきプランニングの中で階段は大切な要素です。階段を考えていくと暮らしが見えてきます。
階段の役割は上下をつなぐ通路、この「つなぐ」という機能は廊下にもあり、水平方向をつなぎますね。
一般の方でも間取りを考えるのが好きな方がいらっしゃいます。
でもなぜか皆さん階段の位置で悩まれます。
階段の位置を家のどこに持ってくるかを考えるのは意外に難しいもの、その理由は「なくてはならない場所が無いから」、わかりにくい言い方ですが、リビングは南の日当たりのいい場所、玄関は道路に近く、ダイニングは朝日の当たる場所で、などと割り振るためのきっかけがありますが、階段に関してはどこでもいいような、余ったところでいいような、特定する理由が見つからないというのが階段の「なくてはならない場所が無い」的な性格なのです。
でもその位置によっては廊下が長くなったり、暗くなったり、閉鎖的な間取りになってしまったりします。
特定の事情が無い限り階段は住宅の中心近くに持ってくると良い間取りに近づきます。
まず中心に来ると2階の廊下が少なくて済みます。場合によっては廊下のない間取りも可能になります。
階段は登り始める位置よりも、登り終わる位置が間取りの中心に近く来るようにすると、つながる2階の各部屋の納まりがよくなります。
この場合の「納まり」とは採光や通風や開放性や可変性ということです。
2階に多く配置される個室は、できるだけ光を入れ、風を入れたいものです。また、隣の部屋をつなげたり、将来の暮らしの変化にも備えたいものです。
そう考えると各部屋は外部に開口部を取り、開放的になります。その時の部屋の入り口は当然間取りの中心方向に向くことになります。つまり階段の位置は必然的に間取りの中心になるのです。
階段の位置が間取りの端にあったりすると長い廊下が必要になり、開放性もなくなります。
中心近くにあると建物面積も抑えられ、建築費も抑えられます。
また廊下とは違う広いホールは2階に第二のリビングとしての機能も付加してくれます。
個室のドアが向き合いみんなの顔が集まる明るい階段ホールは楽しいですね。
ちょっとしたカウンターをしつらえて書斎コーナーや遊びのスペース、洗濯干しの場所にもなりますね。
また、空気の流れを考えたときに階段は住まいの中の煙突として機能します。
一階から2階へ気流をつくり、大きな空気の流れをつくり快適な室内環境をつくるにも中心に近くにある意味は大きいのです。
間取りで悩んだときは階段を真ん中に組みたててみましょう。
納得の間取りが出来るかもしれません。

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